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パンがないなら・・・(S’ils n’ont pas de pain)

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こんにちは。バゲットです。

「パンがないなら、ケーキを食べればいいのに」。フランス革命の前夜、パンを求めて暴動を起こしたパリの民衆に対し、王妃マリー・アントワネットが口にした「妄言」として知られています。私の高校時代、世界史の参考書にも載っていましたし、他にもいろいろなところで目にしますから、皆さまもご存知のことと思います。
マリー・アントワネット
でも調べてみると、原文は少し違います。
S’ils n’ont pas de pain, qu’ils mangent de la brioche ! (註)
「パンがないなら、ブリオッシュを食べればいいのに」。
ケーキじゃないですね。菓子パンの一種、ブリオッシュ(←小麦粉と牛乳、砂糖、バター、卵で作るらしい)です。
ブリオッシュ
ソフィア・コッポラ監督の『マリー・アントワネット』では、「(王妃がそのように言ったと)民衆の間で噂になっている」と側近が告げると、マリー・アントワネットは、「バカバカしい」と不機嫌そうに吐き捨てます。
実際、上記のセリフは、ルソーが、フランス革命の20年以上前に出版した『告白』の中で、「ある高貴な女性(une grande princesse)」の言葉として紹介しているもので、マリー・アントワネットのものではありません。
ルソー、フランス革命の20年以上前に出版した『告白』
彼女自身は慈善家で、貧しい人々の窮状に心を痛めていたそうですが、フランスの民衆から見れば外国人(オーストリア出身)ですし、贅沢好きだったことも事実です。そのため民衆の間で全く人望がなく、とんでもない濡れ衣を着せられてしまった、ということなのでしょう。

註・ mangentは接続法現在。 Que + SV(接続法現在)で、第三者(その場にいない人)への「命令」を意味します。

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