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スタンダール流女の子の口説き方(la manière stendhalienne de séduire une fille)(1)

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こんにちは。バゲットです。

スタンダール(Stendhal)の『赤と黒(Le rouge et le noir)』と言えば、フランス文学の名作中の名作。サマーセット・モームはこの作品を「世界の十大小説」の一つに挙げていますし、フランスやヨーロッパでは何度も映画やテレビドラマ、ラジオドラマになっています。日本でも宝塚歌劇団がミュージカルで上演していますから、そちらでご存知の方も多いでしょう。
さて、小説の舞台はナポレオンが失脚し、王政復古した時代のフランスです。ブザンソン近郊の材木小屋の息子ジュリアン・ソレル(Julien Sorel)は、卓越した知的能力と美貌を兼ね備え、立身出世を夢見る野心家です。地元の町長レナール氏の家で家庭教師を務めた後、つてを頼ってパリに上り、フランス屈指の大貴族ラ・モール侯爵の秘書となります。そして美しく高慢な侯爵令嬢マチルド(Mathilde de la Mole)との間で、一種の「恋の駆け引き」が始まるのですが、そこでのやり取りはスリリングでありながらどことなくコミカルで、「ラブコメ」と言ってもよい趣を持っています
スタンダールの赤と黒
例えばマチルドは、ほんの気まぐれからジュリアンと一夜を共にするのですが、すぐにそのことを後悔します。その後数日間ジュリアンに対して冷淡な態度を取ったため、二人はケンカして絶交してしまいます。ところが、「永遠の絶交(brouille éternelle)」をしたとたん、それまでマチルドのことを何とも思っていなかったジュリアンは、自分が本当は彼女を愛していることに気付き、「気が狂いそう(faillir devenir fou)」になってしまいます。
そして一週間後、フランス文学史上、最も有名なシーンの一つです。
図書室でジュリアンに出くわしたマチルドは、「誤解の余地のないあからさまに意地悪な態度(un air de méchanceté auquel il lui fut impossible de se méprendre)」を取ります。弱気になったジュリアンは言います、「それでは、もう私を愛しては下さらないのですね(Ainsi, vous ne m’aimez plus)」。マチルドは答えます、自分自身に腹を立てて、泣きながら。「私はだれかれの見境なく身を任せたと思うと、我慢ならないのよ(J’ai horreur de m’être livrée au premier venu)」。
その言葉を聞くとジュリアンは激高し、なんと、壁に掛かった剣を取って、彼女を殺そうとするのです!
「『見境なく、だって!』とジュリアンは叫んだ。そして図書館に骨董品として飾ってある中世の古い剣に飛びついた(Au premier venu ! s’écria Julien, et s’élança vers une vieille épée du moyen âge, qui était conservée dans la bibliothèque comme une curiosité)」。
そして彼が鞘から剣を引き抜くと、なんと、なんと・・・・マチルドは感動してしまうのです。
「私は恋人に殺されそうになったんだわ(J’ai donc été sur le point d’être tuée par mon amant !)」と考えて・・・。
(この項続く)

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