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ピンクのチョコレート(le chocolat rose)

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こんにちは。バゲットです。

 

もう30年近くも昔、私が初めてフランスに滞在したときのこと。ある日、日本人の友人が、カフェのカウンターで「アン・ショコラ・ショ、スィル・ヴ・プレ(s’il vous plaît)」と言いました。何のことか分からなかったので、聞いてみると、「ココア」だと答えます。「chocolat chaud=ホット・チョコレート」ですね。私はちょっと驚きました。そのとき初めて、フランス語ではチョコレートとココアの区別がないことを、はっきりと意識したからです。

そんなことを思い出して、調べてみると、チョコレートはもともとアメリカ大陸原住民の飲み物で、16世紀にヨーロッパに伝わったということです。「チョコレート」の語源は、諸説あるようですが、要するに「不詳」。19世紀半ばにイギリスで初めて固形のチョコレートが考案されるまで、「チョコレート」と言えば飲み物だった。ということは、「ココア」(=飲み物)の方が本家だったのですね。

※      ※     ※

さて、昨年、スイスの製菓会社が世界で初めてピンクのチョコレートを開発したことは、フランスではちょっとしたニュースになりました。保守系高級紙「フィガロ」の電子版でも紹介されています(chocolat rose)。フランスのテレビ局TV5で、フランス語学習用教材にも使われましたから、そちらでご存知の方もいらっしゃると思います。
ピンクのチョコレート
上の「フィガロ」の記事によれば、「上海にて、スイス企業バリーカレボーが新製品ルビーを発表しました(C’est à Shanghai que l’industriel suisse Barry Callebaut a présenté son dernier-né : le Ruby)」。それは「バラ色であるという特徴(la particularité d’être de couleur rose)」を持ったチョコレートで、コートジボワール、ブラジル、エクアドルの「遺伝子組み換えではない(qui ne sont pas génétiquement modifiées)」カカオ豆を用いて、「秘密の技術的方法によって(grâce à un procédé technique gardé secret)」、「香料も着色料も添加せずに(sans ajout d’arôme ni de colorant)」作られたそうです。
つまり、遺伝子組み換えで特殊なカカオ豆を作ったわけではないし、着色料でピンクに染めたわけでもない。新技術の開発によって、通常のカカオ豆からピンクのチョコレートを作り出した、ということです。
個人的に、同じくらい驚いたのは「ホワイトチョコレートの誕生から80年後(quatre-vingts ans après la naissance du chocolat blanc)」とあったこと。私は、ホワイトチョコレートは着色料で白く染めたと固く信じていたのですが、とんでもない誤解でした。
記事には去年の「9月5日(5 septembre)」とあります。それではこのピンクのチョコレート、もう日本でも売っているのでしょうか。気になる方は、問い合わせてみたら、いかがでしょう。

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雪だるま

雪だるまを作る(faire un bonhomme de neige)

こんにちは。バゲットです。 今年の冬は全国的に猛烈な寒波に襲われて、東京でも数年ぶりに積雪が、しかも二回もありました(2月5日現在)。公園や小学校の校庭で、雪だるまを作って遊んだ子供たちもいたでしょう。 私が子供の頃(1960年代)は、まだ地球温暖化の影響も顕著でなく、私が育った地域(房総半島の真ん中あたり)でも毎年たくさん雪が降りました。私自身は雪だるまを作ったことはないのですが、小学校では「〇〇くんが作った」という類いの噂をよく耳にしたのを覚えています。 中学校の英語の授業で、「雪だるま」を英語で snowman と言うことを知ったときも、その後、フランス語では bonhomme de neige と言うことを知ったときも、私は特に何の感慨も持たなかったように思います。しかし、遠く離れた日本と欧米で、子供たちが(あるいは大人たちも)同じように雪人形を作って遊んでいることは、考えてみれば不思議です。 もちろん、日本と欧米の雪人形は全く同じというわけではなく、形状や素材に若干の違いはあるようです。日本では大小二つの雪玉で人形を作るのが一般的ですが、欧米では上の写真のように三つの雪玉(フランスは普通二つだとか)から作り、目や口や服のボタンには小石を使い、ニンジンで鼻をつけて、木の枝で腕をつけます。木炭は、ヨーロッパでは希少だそうで、使いません。 さて、歴史的に見て、雪だるまを作る習慣はいつ頃からあったのでしょうか。調べてみると、西欧では、14世紀末に書かれた本(ハーグ王立図書館所蔵の「時祷書」)の欄外に雪だるまが描かれており、それが「現在知られている最古の視覚史料」だそうです。日本では江戸時代後期の歌川広景の浮世絵に描かれているとのこと(以上、ウィキペディア日本語版から)。 さらにネットで検索しまくると、日本では『源氏物語』第20帖「朝顔」で、女の子たちが雪の玉を作っているとか、『日本書紀』(奈良時代前期)の中にも雪遊びについての記述があるとか出てきますが、「人形」とか「だるま」とは書いてない。まあ、日本人は縄文時代から「土偶」を作っていたわけですから、雪だるまだって、太古の昔から作っていたのでしょう。それは恐らくヨーロッパも同様で、古代ケルト文明でも人形は作られていたようなので、雪の降る地方では、昔から雪人形を作っていたのだと思います。 日本と西欧で、一方から他方に習慣が「伝播」したわけではなく、それぞれ自然発生的に雪人形を作るようになったと考えると、なかなか面白く感じます。 そもそも、なぜ人間は人形なんか作りたがるのでしょうか。少し考えてみたいですね。

ケーキの画像

C’est du gâteau. そんなの簡単さ。

こんにちは。バゲットです。 さて、フランス語に、“C’est du gâteau”という表現があります。“du” は、数えられないものにつけて「適量」を示す「部分冠詞」で、直訳すれば「そんなのお菓子みたいなもんさ」。 日本語でも「お茶の子さいさい」と言いますし、そこで「お茶の子」はお茶に添えて出されるお菓子のことですから、発想としては同じなのでしょう。「そんなのお菓子を食べるみたいに簡単さ」という意味です。 ※       ※       ※ おそらく多くの方が同様なのだと思いますが、私はフランス語の勉強を始めたころ、フランス語の単語と日本語の訳語とを、ほとんど一対一で対応させて覚えていました。La mer=海、le ciel=空、le vent=風、といった具合です。 で、le gâteau=お菓子。当時使っていた仏和辞典で、最初に出ていた訳語が「菓子」だったからです。 しかし、勉強を続けて行くと、次第に、フランス語の単語と日本語の訳語の間には微妙な「ズレ」があることに気づきます。すると、疑問に感じるようになりました。「ガトーって、いったい何だ」と。 一口に「お菓子」と言っても、いろいろあります。何が「ガトー」で、何がそうでないのか。調べようにも、そのころはパソコンもインターネットも存在しませんでした。 仏和辞典には「ケーキ」という訳語もありましたから、イチゴのショートケーキは「ガトー」なのでしょう。では、チョコレートは、キャラメルは、キャンディは、「ガトー」なの?ビスケットやクッキーは?日本の和菓子は? 「かっぱえびせん」は「ガトー」なのか? 同様の疑問を持つ人は少なくないようで、『クラウン仏和辞典』も『プチ・ロワイヤル仏和辞典』も、最新版では、gâteau の項目に詳細な解説を加えています。 それによれば、「ガトー」は、小麦粉・卵・バターを練った生地(pâte)から作る“pâtisserie”の一種で、日本語の「ケーキ」に該当するようです。したがって、チョコレートやキャラメルやキャンディは「ガトー」ではありません。 やっぱり、「かっぱえびせん」は「ガトー」ではないですね(笑)。 レコール・ド・フランセでフランクにたずねてみたところ、ビスケットやクッキーなど「ガトー・セック(乾いたガトー)」も、単に「ガトー」とは言わないとのことです。 ※ 何が「ガトー」であって、何が「ガトー」でないのか。それは私にとって、“C’est du gâteau (そんなの簡単さ)”というわけには行きませんでした。 ちなみに、この表現は否定形でも使うそうです。“Ce n’est pas du gâteau !(それは簡単じゃないね)”と。

クリスマスおじさん

降誕祭おじさんとクリスマスの薪(Le père Noël et la bûche de Noël)

こんにちは。バゲットです。 前回も書いたように、私たちが知っているサンタクロ-スは、4世紀のキリスト教の主教・聖ニコラウス(Saint Nicolas)の伝説が根幹となって、それにさまざまな伝統、伝説、民間伝承が接合して出来たものです。 「サンタクロース」という呼称に関しては、オランダ語で言う聖ニコラウス=「シンタクラース」が、移民を通してアメリカで「サンタクロース」として広まり、その後日本に伝えられたもの。それ故、それは万国共通ではなく、フランスでは「ル・ペール・ノエル(le père Noël)=クリスマスおじさん」、イギリスでは「ファーザー・クリスマス(Father Christmas)」、その他の国でもその国の言語で「クリスマスおじさん」、「クリスマスお爺さん」、「冬のお爺さん」などに当たる呼び名が与えられています。 さて、フランス語の「ノエル(Noël=クリスマス)」は、「誕生の、誕生に関する」という意味のラテン語に由来し、キリストの誕生=降誕(こうたん)を指す言葉です。つまり、「ル・ペール・ノエル」は「降誕祭おじさん」ですね。 クリスマスをそのように「降誕」を表す語で呼ぶのはヨーロッパでは珍しいことではなく、イタリア語(Natale)やスペイン語(Navidad)、ポルトガル語(Natal)などでも、事情は同じだそうです。      ※      ※      ※ さて日本では、クリスマス・イヴ(la veillée de Noël)は、若い恋人たちにとってバレンタインデーと並ぶ一大イベントです。このことはフランス人の目には奇異に映るようで、ウィキペディアでも、「日本では、恋人たちは一般にレストランでロマンチックな夜を過ごして、クリスマスを祝う(Au Japon, les couples fêtent généralement Noël sous la forme d’une soirée romantique au restaurant)」と紹介されています。 それではフランス人は、どのようにしてクリスマス・イヴを過ごすのでしょう。 熱心なキリスト教徒は、教会の「深夜ミサ(messe de minuit)」に参加します。「深夜」と言っても実際には夜の早い時間(~10時ごろ)に行われるわけですが、終了後も教会に残って、日付が変わるまで祈り続ける人も多いそうです。 しかし、やはりウィキペディアによれば、「フランス人の4分の3は、クリスマスをまず家族のお祭り(fête familiale)と考えており」、彼らは家族で集まって、家でパーティーを催します。クリスマスツリー(sapin de Noël)を飾って、プレゼントを交換し、七面鳥(dinde)やフォアグラ(foie gras)やシーフード(fruits de mer)など贅沢な料理を食べます。そして、デザートは、日本風のクリスマスケーキではなくて、これ(↓)。 「ビュッシュ・ド・ノエル(bûche de Noël)=クリスマスの薪(まき)」です。なぜ「薪」なのかについては諸説あるようですが、三度ウィキペディアによれば、「この伝統的料理(tradition culinaire)は、冬至を祝う別の儀式を再現(reproduire)したもの」だとのこと。キリスト教が広まる以前、スカンジナヴィア諸国やフランスのプロヴァンス地方では、翌年の豊作を祈願して、冬至の日に神々への捧げ物として巨大な丸太を燃やす儀式が行われていました。その儀式がその後「キリスト教化されて(christianisé)」クリスマス・イヴに行われるようになり、19世紀の半ば頃に、ケーキとしての「薪」が作られるようになったということです。 調べてみると、日本のケーキ屋さんでも売っています。私も今年は趣向を変えて、小さめの「薪」を買ってきて、食べてみましょうか。

Joyeux Noel

JOYEUX NOEL A TOUS!!!

Toute l’equipe des professeurs vous souhaite un tres joyeux Noel!!! La Buche de cette annee, de « Le Notre »…! La Buche De Noel « Le Notre »

ラタトゥイユ

ラタトゥイユを作る(faire de la ratatouille)

こんにちは。バゲットです。   数年前に初めて気づいたのですが、私は授業をしていて黒板に「100」という数字を書くとき、どういうわけか二つの「0」を同じ大きさで書くことができません。どんなに注意して丁寧に書いても、いつも「0」の大きさが異なった不細工な「100」になってしまうのです。「100」でさえそうなのですから、「10,000」とか「100,000」とかになると、もう目も当てらない始末です。 多分そのことと関係して、私は料理をするときも、食材を同じ形、同じ大きさに切り分けることができません。ナスを切っても、ニンジンを切っても、ジャガイモを切っても、最後には形も大きさも非常に異なった諸部分が、雑然とまな板の上に残るのですw。どうせ私が食べるんだし、お腹の中に入ってしまえば同じですから、特に実害があるわけでもないのですが。 で、そんな不器用な私でも簡単に作れるのが、今回のテーマ「ラタトゥイユ(ratatouille)」なのでした。 さて、ラタトゥイユは、ニース(Nice)発祥とされる南仏プロヴァンス地方の郷土料理です。もともとは貧しい農家の食べ物だったようで、端的に言って「野菜のごった煮」ですね。 フランスの料理サイト「マルミットン(marmiton)」で検索してみると、いろいろなレシピが出てきます。いくつか読んでみて共通しているのは、ナス(aubergine)、ズッキーニ(courgette)、タマネギ(oignon)、ピーマン(poivron)、トマト(tomate)を、オリーヴオイル(huile d’olive)を加えて蒸し煮にすること。難しくはなさそうですが、おおむね調理に一時間以上かかるようで、普通の日本人にとってはあまり現実的ではありません。ヴィデオ・レシピがあったので、ご参考までにリンクしておきましょう (→https://www.marmiton.org/recettes/recette_ratatouille_23223.aspx)。 日本の料理サイト「クックパッド(cookpad)」で検索しても、たくさんレシピが見つかります。たとえば、これなんか(→https://cookpad.com/recipe/5235804)簡単そうですね。 生のトマトの代わりに「トマト缶」や「トマトソース」を使うこともできますし、さらにネットで調べてみると、スパゲティの「ナポリタン用ソース」を使うヴァージョンも出てきます。「カゴメ/基本のラタトゥイユ用ソース(https://www.kagome.co.jp/products/food/A5672/)」などという究極の手抜き(?)ソースまで売っていて、これだとナスとズッキーニを煮込むだけで作れます。 ※      ※      ※ 私は料理については何も知らないので、ラタトゥイユのことも長い間、見たことも聞いたこともありませんでした。たまたま同僚たちが話しているのを耳にして、「簡単だよ」と教えてもらったのが、五年ほど前のこと。 最初は缶入りのトマトソースで作ったのですが、少々値段が高い(←私にはw)ので、その後はペットボトル入りの野菜ジュース(トマトベース)に変えて、さらに私は子供のころ「野菜ばかり食べていて肉を食べないと、顔がキリギリスになるw」と脅されて育ったので、肉は絶対に欠かせません。で、ザックリと(=不揃いにw)切った野菜の中に激安のブタ肉をガバッ!と入れて、オリーヴオイルで炒め、そこに野菜ジュースをドクドク!と注いで、コンソメを入れて煮込むのですが、味の方はまずまずです。 まぁ、このような(↑)料理を「ラタトゥイユ」と呼ぶのかwという根源的な疑問は残ります。ラタトゥイユ原理主義者(fondamentaliste)の方々からはお叱りを受けるかもしれませんが、私一人で作って私一人で食べて、誰にも迷惑は掛けていませんので、どうかご容赦くださいませ<m(__)m>。

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