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フランス史上最大の悪女 (la femme la plus méchante de l’histoire de France)

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こんにちは。バゲットです。

フランス史上最も有名な女性と言えば、ジャンヌ・ダルク(Jeanne d’Arc)とマリー・アントワネット(Marie Antoinette)でしょう。共に数奇で悲劇的な運命を生きたため、彼女たちを巡っては多数の小説が書かれ、映画が作られ、はたまた日本ではマンガにまでなっています。その知名度においては、他の追随を許さないと言ってよいかもしれません。
で、今回紹介したいのは、フランス史上、(大差はあるものの)この両名に次いで有名な女性、カトリーヌ・ド・メディシス(Catherine de Médicis、1519-1589)です。以前ここでマカロンについて書いたときに言及しましたので、ご記憶の方もいらっしゃるかと思います。(俗説のようですが)フランスにマカロンをもたらしたとされるのが、カトリーヌなのでした。
さて、ジャンヌ・ダルクが「救国の少女」、マリー・アントワネットが「亡国の王妃」(これも俗説でしょうが)だとすれば、カトリーヌ・ド・メディシスは「フランス史上最大の悪女」。下の肖像画なんて、見るからに権謀術数を巡らす悪徳政治家といった風情です。
カトリーヌ・ド・メディシス
名字(nom de famille)からも分かるように、カトリーヌはイタリア・メディチ家の出身です。メディチ家は14世紀に台頭した大富豪で、フィレンツェ共和国の事実上の支配者。一族からローマ教皇を二名も輩出するなど、当時は権勢をほしいままにしていました。
カトリーヌが「悪女」と言われる最大の理由は、彼女がサン・バルテルミの虐殺(Massacre de la Saint-Barthélemy)の首謀者とされていることです。
ユグノー戦争(Guerres de Religion, 1562-98)さなかの1572年、カトリーヌ(親戚がローマ教皇ですから、当然旧教徒)は、旧教徒と新教徒(ユグノー、huguenots)の融和を図るため、娘のマルグリット(後の王妃マルゴ、la Reine Margot)を新教徒の指導者アンリ・ド・ナヴァール(後のアンリ4世、Henri de Navarre, futur Henri Ⅳ)に嫁がせます。ところが8月24日、結婚を祝うためパリに集結していた新教徒たちを、カトリーヌが命じて虐殺したとされるのです。下の絵で、黒い服(夫の死後ずっと着ていた喪服)を着ているのが彼女でしょう。
サン・バルテルミ
その後、新教徒の虐殺はフランス全土に波及し、犠牲者の総数は30,000人とも言われています。
※      ※      ※
さて、この原稿を書くために下調べをするまでは、私もカトリーヌを「フランス史上最悪の女」だと、固く信じていました。しかしネットで調べてみると、どうやら最近の研究では見方が変わっているようです。
そもそもサン・バルテルミの虐殺は、重臣たちによる「御前会議」で決まったことで、カトリーヌが一人で決めたわけではありません。しかもそこで決まったのは、新教徒の軍事上のリーダーたちを暗殺することだけでした。それが一般新教徒たちの虐殺にまで拡大したのは、予期せぬ偶然だったようです。
私は専門家ではないので、ネット情報の信憑性を判断することはできません。興味をお持ちの方は、ご自分で調べてみたらいかがでしょう。カトリーヌの人生も、ジャンヌ・ダルクやマリー・アントワネットの人生に劣らず波瀾万丈で、なかなか面白いのではないでしょうか。

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