JR山手線 高田馬場駅すぐ、ネイティヴの先生が教えるフランス語教室

tel:03-3363-6603

ブログ

一年の12の月(les douze mois de l’année)

投稿日:2022年4月27日

こんにちは。バゲットです。

前回は「曜日」について書いたので、今回は「月(les douze mois de l’année/一年の12の月)」について書きましょう。
フランス語で1月〜12月は、janvier(1月)/février(2月)/mars(3月)/avril(4月)/mai(5月)/juin(6月)/juillet(7月)/août(8月)/septembre(9月)/octobre(10月)/novembre(11月)/décembre(12月)。英語と違って、文頭以外、最初の文字は大文字になりません(これは「曜日」も同じです)。
まず言っておきたいのは、9月〜12月は「数字」に対応しているということ。sept(7)/septembre、neuf(9)/novembre、dix(10)/décembreで、10月(octobre)の“octo”は「8」の意味。英語で「タコ」を“octopus”と言うのは、足が八本あるからですね。皆さま既にお気づきのように、この「数字」と「月」は二つずつずれています。
これは、古代ローマの最初期には、一年が3月から始まっていたからです。実際、ウィキペディア(註1)によると、王政ローマの初期、一年には3月から12月までの10ヶ月しか無かったそうです。真冬の60日くらいは「月」が無く、その期間は「何」月でもなかった。「月」はもともと農耕のために作られたからで、小麦の種まきが始まるころから、小麦の収穫が終わるころまであれば、それで十分だったのです。で、春になって適当に暖かくなってくると、王が「宣言」して、3月が始まったようです(註2)。後になって、それまで「月」が無かった真冬に1月と2月(=「13月?」と「14月?」)を付け加え、さらに後になって、一年の始まりを3月1日から1月(=13月)1日に変更したので、結果的に「数字」と「月」の呼称とが二つずつずれるようになった、ということです。

さて、1月〜6月は、それぞれ古代ローマ神話の「神」の名前に対応しています。1月から順に、ヤヌス(Janus)/出入り口と扉の守護神(←だからこれが「一年の始まり」=「1月」になった)、フェブルス(Februus)/死と贖罪の神、マルス(Mars)/戦いと農耕の神(←3月に農業が始まるからです)、ウェヌス(Vénus)/美の女神(ギリシャ神話のアフロディーテ[Aphrodite])、マイア(Maïa)/豊穣の女神、ユーノー(Junon)/女性の結婚と出産の女神(←「ジューン・ブライド」という表現は、このことから来ているようです)。

Avril

7月と8月は人名に由来します。ユリウス・カエサル(Jules César/ジュリアス・シーザー)が7月生まれだったため、紀元前44年、彼が暗殺された後、後継者のアウグストゥがカエサルを称えて、7番目の月の名を“Julius”と改称したのが“juillet”の起源。他方で、アウグストゥス(Auguste)自身が、自らの在位期間中の紀元前8年、8月に自分の名前を当てたことから“août”という呼称が生まれたそうです。アウグストゥス自身の誕生日は9月なのに、なぜ8月に自身の名前をつけたのでしょう。カエサルの「後」に置きたかったからかもしれません。調べてみましたが、正確なことはわかりませんでした。br> なお、「〜月に」と、時の副詞(フランス語文法では「状況補語」と言いますが)にするときは、前置詞“en”をつけて、たとえば“en avril/4月に”のようにします。また“mois/月”という語もつけて、“au mois de mai/5月に”のように言うこともできます。

⦁      ※      ※

さて、ではなぜ、古代ローマでも現代でも、1ヶ月は30日前後なのでしょうか。それは月の満ち欠けの周期が30日弱だからだそうです。
してみると、私たちのカレンダー、というか「時間性」そのものが、天文学的な事実に強く規定されていることがわかります。
もしも地球の自転速度が今よりも遅く、例えば一日が48時間だったら・・・。あるいはもしも月の満ち欠けの周期が、例えば60日だったら・・・。さらに、もしも地球の公転周期が、例えば700日だったら・・・。もしそうだったら、私たちのカレンダーも「時間」も、今とは全く違ったものになっていたでしょう。生物の「進化」の過程も異なったものになっていたでしょうし、その場合、私たち人類は今頃どんな姿をして、どんな文明を築いていたのでしょうか。あるいは、「人類」など存在してはおらず、例えば体長1メートルのネズミwとか、体長30センチのゴキブリwとかが、地球の支配者だったかもしれません。まぁ、地球環境全体にとっては、その方がよかったかも知れませんがww。

註1・「ウィキペディア」の日本語、フランス語、英語ヴァージョンで、記述内容が一致していません。本稿の内容は、あくまでも「仮説の一つ」だと考えてください。

註2・これも「春分の日に始まった」とか、「月の満ち欠けで決まった(例えば最初の満月/新月)」とか、諸説あるようです。さらには、「3月から12月の10ヶ月しかなかった」という主張そのものを否定する学者もいるようです。

執筆者:

1つ前の記事
日曜日(le dimanche)
1つ後の記事
やる気が出ない(J’ai la flemme)

お気軽にお問い合わせください

レコール・ド・フランセ

電話:03-3363-6603
住所:東京都新宿区高田馬場 4-2-29 ヴィラデステ102
URL:https://lecoledefrancais.net/