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男のクレープと女のクレープ “le” crêpe et “la” crêpe

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こんにちは。バゲットです。

今回もクレープのお話です。二回連続で、クレープが嫌いな方は「もう、うんざり(J’en ai marre !)」とお思いかも知れませんが、これで終わりですので、どうぞ最後までお付き合いくださいませ。
さて、前回は、フランスでは聖燭祭(la Chandeleur=2月2日)に、クレープ(la crêpe)を食べる習慣があることについて書きました。クレープ自体の起源として、二つの説があることも紹介しました。しかし、それに関しては、他にもいろいろな説があるようです。
現代の歴史研究によれば、人類は紀元前7000年(!)ごろには、いろいろな穀物(céréales)を粉にして水で溶き、平らな石の上で焼いて食べていたそうです。
他方で、現在私たちが食べているようなクレープについては、ブルターニュ地方(Bretagne)の郷土料理ガレット(galette)を起源とする説が有力です。ブルターニュは土地が痩せていて小麦の生産に適しないため、伝統的に、そば粉を溶いた生地を熱した丸い石(galet)の上で焼いて、食べていました。たまたまブルターニュを訪れたルイ13世の王妃アンナ(Anne d’Autriche, 1601-1666)がそれを気に入り、宮廷料理に取り入れて、その過程でそば粉が小麦粉に代わって、クレープに進化したというのです。
クレープ
まあ、考えてみれば当然ですが、穀物は生で食べることはできません。水に入れて煮るか、すり潰して粉にして水で溶いて焼くか・・・等々して食べるしかないでしょう。そうだとすれば、実際にはクレープの発祥は「多発的」で、いろいろな地方でいろいろな人間集団が、穀物の食べ方の一つとして考案したと考えるのが、一番自然なのかもしれません。
※      ※      ※
さて、「クレープ」はフランス語。その呼称は、日本語では「ちりめん」「縮み」などと訳される、繊維製品としての「クレープ(le crêpe)」(↓)に由来します。焼いたときにできる焦げ模様が、「ちりめん」を連想させるからです。
織物のクレープが男性名詞
ここで気をつけなければならないのは、食べ物のクレープが女性名詞(une crêpe)であるのに対し、織物のクレープが男性名詞(un crêpe)であることです。
このようにフランス語では、同じ単語でありながら、男性名詞と女性名詞とで意味が異なるものがいくつかあります。たとえば、mode。この単語には「方法、様式」という意味と「流行」という意味の二つがあって、「生活様式」なら le mode de vie と男性名詞です。しかし、「流行」のときは女性名詞で la mode、「~が流行している」は、 être à la mode ですね。
あるいは「道徳、モラル」はla morale と女性名詞ですが、男性形で le moral と言えば「気力、士気」の意味になります。さらに、仕事上の「地位、ポスト」は le poste、「郵便、郵便局」は la poste。何でそうなるのかわからないのですが、とにかく、そうなのです。
他にも、un poêle=暖房機の「ストーブ」/une poêle=調理具の「フライパン」。Un manche=包丁や傘の「柄(え)」/une manche=上着やワイシャツの「袖(そで)」、un voile=女性がかぶる「ベール」/une voile=ヨットなどの「帆(ほ)」、などなど。
学生の方は、 mémoire に注意してください。「記憶」という意味のときは女性(la mémoire)ですが、「卒業論文」は un mémoire de licence と男性名詞です。
※      ※      ※
以上のような単語は、「自然に覚えればよい」などと考えていると、いつまでたってもゴチャゴチャのままでしょう。きちんと整理して、暗記するよう努めてください。

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