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ロワール渓谷の古城(Châteaux de la Loire)
投稿日:2017年9月23日
こんにちは。バゲットです。
フランス中部、ロワール川の渓谷は、中世・ルネッサンス期に建てられた古城が点在することで有名です。2000年にはユネスコの世界遺産にも登録され(註・シャンボール城[↓]は1981年に単独で登録)、フランスでも屈指の観光スポットになっています。
「お城は一体いくつあるのだろう」と思ってネットで調べてみると、130とか300とか出てきましたが、ウィキペディア・フランス語ヴァージョンによれば、網羅的なリストは存在しなくて、その総数は3,000に近いようです。多分、すごく小さなものや、廃墟になっているものも含めての数字でしょうけれど。
さて、先日、フランスのテレビで見たルポルタージュ。そうした古城の中には、個人所有の、わりと小さめのお城もたくさんあるそうです。たとえばリヴォー城(Château du Rivau↓)がその一つ。
所有者夫婦によれば、彼らがこのお城を購入したのは1992年のこと。それ以来、大雨で庭園の花が倒れたとか、強風で納屋の瓦が落ちたとか(←共にインタビュー前夜の話)、「問題が途切れることがない(les problemes ne s’arrêtent jamais)」、「毎日が挑戦の日々(C’est un défi au quotidien)」だそうです。
古城の修繕や維持に必要な多額の費用を賄うためには、多くの観光客を引きつけなければなりません。彼らが目をつけたのは隣接する6ヘクタール(!)の庭園で、奥さまが指揮する10人ほどの従業員が、毎日、朝早くから手入れをしています。
訪問者は、初年度のわずか1,500人が、昨年は50,000まで増加したそうですが、それでもまだ経営は赤字状態。そのため旦那さまは、平日はパリの不動産会社で働き、娘さんは城内のレストランでウェイトレスをしています。
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なかなか大変ですが、それでも一家は幸せそうです。奥さまは「この果てしない冒険に乗り出したのは、それが好きだからです(On s’est embarqués dans cette aventure sans fin par amour)」、旦那さまも「こうした苦労は、お城の生活の楽しさの一部です(Ça fait partie des plaisirs de la vie du château)」と言っていました。