サイトロゴ

レコールドフランセ フランス語学校 へようこそ!

03-3363-6603

blog

四角いハンカチ(le mouchoir carré)

投稿日:

こんにちは。バゲットです。

私が高校生のとき、太田裕美さんの歌「木綿のハンカチーフ」が大ヒットしました。田舎に残った女の子が都会に出て変わってゆく恋人を想う歌で、魅力的な歌詞やメロディーに加えて、太田さんの上品な色気を含んだ、透き通った歌声が好きで、私は繰り返し何度も聴いたものでした。
山田洋次監督の『幸福の黄色いハンカチ』が公開されたのも、私が高校生のときでした。不器用な男(高倉健)とその男を待つ妻(倍賞千恵子)の物語で、こちらもその年の日本アカデミー賞を受賞するなど大ヒットしましたから、ご記憶の方も多いでしょう。
そうした雰囲気の中で、若い私にとってハンカチは、ロマンチックなイメージと強く結びついていたように思います。
さて、ヨーロッパの女性がハンカチで鼻をかむことは、映画等を見て、私もかなり早くから知っていました。しかし、フランス語でハンカチを「ムシュワール(mouchoir)」と言い、その語が「鼻をかむ」を意味する「ス・ムッシェ(se moucher)」から来ていることを知ったときは、ちょっと驚きました。ハンカチは、フランス語ではまさしく「鼻かみ布」なのです。そんな呼称では、ロマンチックなイメージも台無しです。
ティッシュ・ペーパーのことを「ムシュワ-ル・アン・パピエ(mouchoir en papier)」と言うことを知ったときも、やっぱり少し驚きました。文字通り「鼻かみ紙」です。
もっとも、「鼻をかむ」という行為の社会的な意味は、日本と欧米では大きく異なります。日本では人前で鼻をかむことは(特に食事中などは)マナー違反とされますが、ヨーロッパではそうではなく、レストランで他の方が食事をしているときに鼻をかんでも、「礼儀に反する(impoli)」ということはないそうです(註)。とすれば、「ムシュワール=鼻かみ布」という呼称も、特に不快感を与えるものではないのかもしれません。
ムシュワール=鼻かみ布
現在、ハンカチと言えば形は正方形(carré)と決まっていますが、昔はそうではありませんでした。丸いハンカチや、三角形、長方形、楕円形もあったそうで、貴族のご婦人方が贅を尽くしていろいろなデザインを競っていたようです。それを正方形に統一したのが、王妃マリー・アントワネット(Marie-Antoinette)。夫のルイ16世に進言して勅令(lettre patente)まで出させています。
なぜマリー・アントワネットはそんなことを考えたのでしょう。あくまでもファッション・リーダーであろうとした彼女が、他の女性たちがいろいろなデザインを競うのを面白く思わなかったからでしょうか。
いずれにしても、たたんでポケットに入れるには、正方形が一番便利な気がします。私もハンカチはたくさん持っていますが、意外と身近なところに、マリー・アントワネットの「功績」があったのですね。

(註)手元の英和辞典で見て、またフランス人教師にも確認したのですが、人前で鼻をすすること(英・sniff/仏・renifler)はひどく嫌われるそうです。

-blog

執筆者:

関連記事

太陽の女神

日本のイメージ in France (l’image du Japon en France)フランス語

こんにちは。バゲットです。 来年春の新天皇即位と改元まで、とうとう1年を切りました。もうすぐ平成も終わりです。 29年前、昭和天皇が崩御し、平成が始まったときには、私はフランスのボルドーに留学していま …

カトリーヌ・アルレー わらの女

わらの女(La femme de paille)

こんにちは。バゲットです。 皆さま、『わらの女(La femme de paille)』というミステリー小説をご存知ですか。 フランスの女性作家カトリーヌ・アルレーの作品で、週刊文春の『東西ミステリー …

月の中にいる

彼女はいつも月にいる(Elle est toujours dans la lune)

こんにちは。バゲットです。 最近は廃れてしまったのかもしれませんが、私が子供のころ、少なくとも千葉の農村地帯では、まだお月見の習慣が残っていました。9月半ばの満月の夜(=十五夜)に、月見団子を作って、 …

マルグリット・ド・ナヴァール

スタンダール流女の子の口説き方(la manière stendhalienne de séduire une fille)(3)

こんにちは。バゲットです。 スタンダール(Stendhal)の『赤と黒(Le rouge et le noir)』で、美しく高慢な侯爵令嬢マチルド(Mathilde de La Mole)は、16世紀 …

フランス人作家ピエール・ルメートル(Pierre Lemaitre)の『その女アレックス(Alex)』

『その女アレックス(Alex)』

こんにちは。バゲットです。 ミステリー小説の「本場」とされるのは一般に英米で、フランスのミステリーは、ガストン・ルルー(Gaston Leroux)の『黄色い部屋の謎(Le mystère de la …

あなたのお住まい、お仕事は東京でしょうか?フランス語や文化に興味がございますか? くつろげて、自分に合うフランス語学校をお探しでしょうか?

東京でフランス語を学ぶのでしたら、新宿、池袋から数分の私たちの学校のサービスをご提案します。

初心者、初級対象者のすべての方には他校にはないプライベートレッスンをご提供します。初心者の方にはマンツーマンでそれぞれの題材の最後までご指導します。

その他のレベルではスタンダードコースとして(中級、上級)クラス内での広がりを作る為に1クラス3人まで のセミプライベートレッスンとプライベートレッスンがございます。

個人レッスンでは各ご要望のコースで対応します(文法、語彙、口語表現、試験準備、テレビニュース他…)。 フランス語会話サロンでは文化や社会に関する様々な題材で意見を交わし、東京からフランスまでを旅し、横断する事が出来ます。又、幼稚園生から大学生まで、セミプライベートレッスン、個人レッスンもご提案させていただきます。

私達の学校は会話を基本とする方法で、フランス語圏出身の講師による生きた会話レッスンを行っています。そういうわけで、私達は本校のことを、会話学校又は自由会話サロンと呼んでいます。