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ルポルタージュ・日本/2(des reportages télévisés sur le Japon/2)
投稿日:2026年2月20日
フランスのニュース番組「フランス2/夜8時のニュース」では、ときどき日本についてのスポルタージュが放映されますが、昨年の暮れには一度に四つのルポが流れて、ちょっと驚きました。前回の記事を継いで、今回はその後半を紹介しましょう。
三番目のルポは、「日本 シニアが刑務所を好むとき/Japon : Quand les séniors préfèrent la prison」。高齢の受刑者が激増しているという内容で、番組が具体的に紹介するのは栃木県の女子刑務所です。まず、受刑者たちが集団で廊下を歩いている映像。手すりに捉まっている人や車椅子の人もいる。「日本では、シニアの軽犯罪者(les délinquants séniors)がますます増えている」というナレーション。そして、81歳で二度目の服役という女性が登場します。「今回逮捕されたとき、もうどうなってもいい(Qu’importe ce qui peut m’arriver)と思いました。孤独に生きること(vivre seule)がどんなにつらい(difficile)か、あなたに説明することはできません」。「この刑務所にはとても親切(très bien)な人たちがいます。私はとても感謝しています。毎日、普通の生活を送ることができるからです」。
ナレーション「この刑務所は老人ホームに似ている。作業所では、看守たちは怒鳴らない。彼らは受刑者たちが薬を飲むのを手助けする」。女性の看守が話します、「外では、誰も彼女の面倒をみません。彼女は見捨てられた(abandonnée)と感じています。彼女がここに来るのは、他に行くところがないからです」。社会的に孤立して、行く場所のない老人たちが微細な犯罪を繰り返して刑務所に入るのです。
ルポは「灰色の髪と曲がった腰の刑務所。高齢化する社会・日本では、65歳以上の受刑者がこの20年近くで4倍になった」と結びます。

最後の報告は、「抹茶 日本の緑の黄金Matcha : l’or vert du Japon」。日本では抹茶が大人気、というお話です。まず京都の五重塔が映って、「かつての帝国の首都(ancienne capitale impériale)」と紹介される。次に、ある茶室(unsalon de thé)の座卓の上で、50代くらいの和服の女性がシャカシャカ(w)とお茶をかき混ぜている映像。ナレーション、「茶道(la cérémonie du thé)は、抹茶の粉にお湯を加えて混ぜる聖なる儀式(un rituelsacré)です」。和服の女性が話します、「抹茶は本当に日本人の心を満たし(comble)ます。これを飲むときは、本物の心の平(une sérénité mentale)を与えてくれる瞬間なのです」。

場面は工場で抹茶が生産される工程に移り、次いで、「抹茶のピューレから発泡性の飲料まで」、「この緑の粉はいろいろな所で使われている」。抹茶のペーストをかけたケーキや伊藤園の「パウダーイン抹茶ラブ」が映ります。続いて、東京のある抹茶カフェの前で長蛇の列ができている場面。外国人も多いようで、「もう20分並んでいます。まだ15分くらいはかかるでしょう」などと言っている。「飲み物は5~10ユーロ(≒900円~1800円)で、同様の抹茶カフェは東京のいくつもの街にあります」とナレーション。「しかし、その反面(revers de la médaille)、ストックは十分ではありません。・・・値段は急騰しました」。カフェの女性店員が話します、「十分な抹茶を確保する(sécuriser)ことは難しくなりました」。
次のシーンは、京都府宇治市の広大なお茶畑。13代目の生産者という30代前半くらいの女性が登場し、「この特別な(d’exception)抹茶はとても高い値段で売れました。50グラムで847ユーロです(≒152,500円)」。ナレーション、「つまり1キロ17,000ユーロ(≒3,060,000円)、平均的な価格の300倍です。日本では、抹茶の生産は10年間で3倍になりました」。
最後に、エステサロンに改装されたお寺で、抹茶のクリームでフェイス・パックをしている女性が紹介されて、「欠乏のリスクにもかかわらず、抹茶熱(la folie matcha)は収まりそうもありません」と結びます。
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2003年か2004年だったと思うのですが、私はこの「フランス2/夜8時のニュース」を用いて、聞き取りの練習を徹底的に行ったことがあります。ネットで観る番組は「録画」なので、巻き戻すことができるからです。ニュースを観ていて聞き取れない箇所があったときは、巻き戻して何度も聞いて、思いたる単語があったときは辞書を引き、8回程度試みても分からないときは諦める・・・という作業を繰り返したのです。続けたのは4~5カ月でしたが、それを機に私の聞き取り能力は飛躍的に高まりました。現在では同じサイトに「スクリプト」も掲載されていますから、何度か聞いて分からないいときは参照し、それからまた何度か聞いてみる、という手順で練習するとよろしいかと思います。