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花粉症(le rhume des foins)
投稿日:2025年6月11日
こんにちは。バゲットです。
すでに何度も書いたように、私の実家は房総半島の真ん中あたりの山林地帯にあります。その地域では、農業に加えて、昔は林業も盛んだったようで、私が子供の頃には近所に本職の「木こり/bûcheron」のおじいさんが住んでいました。私は何度か、その人が実際に木を切るところを見たこともありました。
私の実家は割と広い山林を所有していて、家は森に囲まれています。森には大量の杉と檜が植えられていて、私の末弟(←三人兄弟です)などは子供の頃から花粉症に悩まされていました。他方で、私自身は長いこと花粉症とは無縁だったのですが、どういう訳か数年前から、ほとんど年間を通じて、アレルギー性鼻炎を患っています。原因は不明。春に実家に帰省しても症状は現れませんから、杉でも檜でもありません。ハウスダストかとも思うのですが、自宅(←あまり掃除はしないw)にいるときだけでなく、大学の講師室にいても教室にいても鼻水は出ますから、原因は複合的なのでしょう。幸いそれほど重症ではなく、アレグラ一錠で治まりますが、症状が年々酷くなっているような気がして憂鬱です。
・・・ということで、今回はフランスの花粉症について調べてみました。
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フランス語で「花粉症」は“l’allergie au pollen/花粉アレルギー”あるいは“le rhume des foins/干し草の風邪”。後者の言い方は、フランス人にとって花粉症の原因が干し草であることが多いことから来たようです。ちなみに、英語でも“hay fever/干し草熱”と言いますね。また、“la rhinite allergique/アレルギー性鼻炎”という言い方もありますが、これは医学用語で、日常的に使う言葉ではありません。
「私は花粉症です」と言いたいときは、“Je suis allergique au pollen/私は花粉アレルギーです”、“Je fais de l’allergie au pollen/私は花粉アレルギーを患っています”、あるいは“J’ai le rhume des foins/私は干し草風邪を持っています”と言えばよい。ただし、「エコール・ド・フランセ」のFranckによれば、ニュアンスの違いはあって、最初の文は「体質」を意味しており、後の二つは「今、その症状がある」ということだそうです。

フランス語版グーグルで“rhume des foins”、あるいは“allergie au pollen”を検索してみると、花粉症の原因、症状、治療法について書かれたたくさんのサイトがヒットします。
例えば、このサイト(→https://www.direct-assurance.fr/assurance-sante/allergie-pollen-combien-de-francais)によると、フランス人の成人の30%が花粉症で苦しんでいる(サイトの下の方には「少なくとも25%」とありますが)。日本は50%超とも言われますから、日本よりは「マシ」ですが、花粉症はフランスでも猛威を振るっているわけですね。で、この割合は2000年から三倍に増えていて、さらに1960年代にはわずか1%だったそうですから、過去50~60年で「指数関数(exponentielle)的」に激増していることになります。
原因としては「大気汚染」「生活様式の変化」「地球温暖化」の三つが挙げられています。最初の「大気汚染」はそれ自体、呼吸器にダメージを与えるわけですが、花粉と組み合わされると更に影響が増大する、あるいは大気汚染が花粉の生化学的構造を変化させ、アレルギーを起こしやすくすると説明されるようです。第二の「生活様式の変化」とは、ワクチン摂取、抗生物質の使用、衛生面での向上などによって、私たちの身体が元々は無害だった物質に対して敏感になってしまった、ということ。最後に「地球温暖化」のために、花粉そのものの量が増大したこともあるそうです。
では、フランスでは、どんな花粉が最もアレルギーを引き起こしているのでしょうか。まず挙げられるのが「イネ科の植物」。小麦やトウモロコシです。次に杉などの「ヒノキ科の樹木」。さらに「カバノキ」などなど。
花粉症に悩んでいる方は、フランスに行くときも、お薬を携行した方が良さそうですね。
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