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フランスパン(La baguette)
投稿日:2025年8月12日
こんにちは。謎のキャラクター(?)、バゲットです。
何度も書いたように、私の実家では年老いた母と弟がお米や野菜を栽培しています。米どころの大規模農家とは比すべくもありませんが、房総半島中部の農村地帯では比較的大きな農家で、祖父が家長だったころは村(と言っても300~400軒くらいはある)で三本の指に入る規模だったそうです。
現在は水田の大部分を「小作」(=こちらから頭を下げて作ってもらっているw)に出しており、実家ではごく一部の田圃を弟が耕作しているだけですが、それでも年間数十万円の収入と、家族(埼玉の弟一家と私も含めた)が食べる分のお米は確保しています。前農林水産大臣ではありませんが、私も「米は買ったことがない」わけで、昨今の米不足と米価格の高騰も、私にとっては「どこ吹く風」という感覚でした。

「でした」と過去形で書いたのは、最近になって突然、事情が変わったからです。原因を作ったのは、母親の実家を継いだ私の従兄弟。彼は近隣から大量の水田を借り上げて、専業でかなり大規模にお米を栽培していて、生産したお米は君津市の「ふるさと納税」の返礼品にもなっています。そして今年の春、昨年からの米不足で返礼品のお米が底をついた市の担当者に泣き付かれ、従兄弟は(日頃から「お世話になっている」という気持ちもあったのかもしれませんが)何と、自家消費用に取っておいたお米(コシヒカリ)を、市に売り渡してしまったのです。
こうして叔父夫婦(+従兄弟)は、大規模稲作農家であるにもかかわらず、近所のスーパーでお米を購入して食べる生活を余儀なくされたのですが、どうもそのお米(標準米?)が口に合わないらしい。もっとも、それだけならまだ「自業自得」ですし、私にとってはどうでもいい話です。問題なのは、それを気の毒に思った私の母が(彼女にとってはかわいい「弟」ですから)、実家で自家消費用にとっておいたお米を、30キロも叔父にあげてしまったこと。ゴールデンウイーク明けになって、「お米が残り少なくなってきた」と感じた私が実家の母に電話すると、「(上記の理由で)今回は5キロ(玄米)しか送れない」と言う。著しく迷惑な話ですが、無いものは仕方がない。こうして私は、今年の新米ができる9月10日頃まで、5キロ(+残っていた2キロぐらい)のお米で生き延びなければならなくなったのでした。

そんな事情で、私は最近、頻繁にフランスパン・バゲット(baguette/「棒」「杖」の意)を食べるようになりました。で、まず気づいたのは、東京で売っているバゲットが、フランスのそれを比べるとすごく短いこと。ネットで調べてみると、フランスではバゲットは一般的に、長さは55 cm~65 cmで重さ200g~300gだそうですが、東京のスーパー(+一部のパン屋)で売っているバゲットは40 cmぐらいしかない(三軒茶屋の「アンデルセン」には長いバゲットがありました)。さらに、フランスのバゲットは表面がパリパリして、内部が柔らかいのに対し、スーパーのそれは表面も柔らかい(パン屋のバゲットは固いようです)。まあ、日本人向けに意図的に柔らかくしているのでしょう。さらに、日本の方がずっと値段が高い。「アンデルセン」の長いバゲットも近隣の他の二つのパン屋の40 cmのそれ400円前後します。フランスでは1ユーロ(≒164円/5月29日現在)程度だそうですから、二倍以上の値段になります。さらに調べてみると、そもそも原材料が違ったりします。フランスではバゲットは小麦粉、水、塩とイーストだけで作らなければならないと法律で定められているそうですが、日本のスーパーで売っているものは、バターやマーガリン等の添加物が入っています(パン屋のバゲットは分かりませんが)。これも日本人の舌に合せてそうしているのでしょうが、やはり本物の「バゲット」とは別物と考えた方がよさそうです。
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一ヶ月ほど前に見たテレビニュース(France 2)によれば、フランス人の60%は古くなったバゲットは捨ててしまうそうです。私の知人のフランス人も、前日に買ったバゲットは食べないと言っていました。そんなわけで最近は、パリのパン屋さん(boulangerie)では、バゲットの半分の長さの「ドゥミ・バゲット(demi-baguette)」や、球状でより日持ちのする「ブール・ド・パン(boule de pain)」がよく売れているとか。
そうだとすれば、日本のパン屋さんで売っている40 cmしかないバゲットも、それなりに「合理的」と言えるかもしれません。
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