サイトロゴ

レコールドフランセ フランス語学校 へようこそ!

03-3363-6603

blog

廃兵院には行ったかい?(Tu as visité les Invalides ?)

投稿日:

こんにちは。バゲットです。

パリにある「廃兵院(Hôtel des Invalides=オテル・デ・ザンヴァリッド/通称アンヴァリッド)」は、ナポレオンの棺が置かれている場所として、ご存知の方も多いでしょう。
私も大学でフランス文学の勉強を始めた後、かなり早い時期から知っていましたが、「廃兵院」というその呼称にはずっと強い違和感を抱いていました。「廃棄物」「廃屋」「廃品」「老廃物」等々、「廃」という漢字はひどく否定的なイメージ(まるでゴミみたいなw)を含んでいますから、国のために戦って名誉の負傷を負った方々を「廃兵」と呼ぶのは、全く不適切であるように思ったからです。
フランス語の「アンヴァリッド(invalide)」は、動詞valoir(価値がある)と語源を同じくするvalide(法的に有効な、健康な)という形容詞に否定の接頭辞 inがついたもので、「法的に無効な」「(人が老齢、病気、ケガなどのため)働けない」ことを意味します。何人かのフランス人に確認しましたが、形容詞、名詞として普通に用いられる単語で、肯定的なニュアンスは無いにしても、日本語の「廃(兵)」ほど否定的なイメージもないそうです。
この原稿を書くにあたって調べてみたところ、そもそも日本で日露戦争後の1906年、傷痍軍人のために「廃兵院」が作られ、その際、パリの「アンヴァリッド」が参考にされたということです。してみると、日本の「廃兵院」の呼称を「アンヴァリッド」の訳語として採用した、というのが真相なのかもしれません(註)。
と言うことで、今回は「アンヴァリッド」(↓)について調べてみました。
アンヴァリッド
ウィキペディア・フランス語ヴァージョンによれば、「アンヴァリッド」の建設を命じたのは、「太陽王(le Roi-Soleil)」ルイ14世。絶対主義(absolutisme)の最盛期、「朕は国家なり(L’État, c’est moi)」と言った国王です。
時は17世紀の半ば、フランスでは「30年戦争(la guerre de Trente Ans, 1618-1648)」で障害を負った多数の傷痍軍人が、パリのポンヌフ(Pont Neuf)付近にたむろし、暴力沙汰を起こすなどして、市民たちから白眼視されていました。一方、戦争が大好きでもっともっと戦争をしたいwルイ14世は、人民の眼に軍のイメージを高め、兵士たちには自らの威信を高めなければなりません。そこで、1670年、傷痍軍人たちを収容する専用の施設を建設するよう、勅令(édit)を発します。
建設は翌年に始まり、1674年に完成。竣工式の際に、ルイ14世自らが最初の収容者たちを入所させたそうです。その後、付属の教会が建設され(1706年完成)、さらに7月王政(1830-48)の時代になって、教会の地下に墓所が作られて、ナポレオン・ボナパルトの棺(↓)が中央に置かれました。
ナポレオン・ボナパルトの棺
「アンヴァリッド」では、現在でも100人ほどの傷痍軍人が暮らしているそうです。病院もあって、軍人だけでなく一般市民も受け入れています。他にも軍事博物館があったり、陸軍参謀総長の事務室があったり、偉大な功績を残した軍人たちの廟があったりします。第二次世界大戦でノルマンディー上陸作戦(Débarquement en/de Normandie)に参加しパリ入城を果たしたフィリップ・ルクレール(Philippe Leclerc)のお墓もあります。
「アンヴァリッド」には私も20年ほど前に行きましたが、当時はそんなにいろいろなものがあるとは知らず、ナポレオンの棺を見ただけで帰ってきてしまいました。建物自体がフランスの古典建築の傑作とされていますし、いつかもう一度行って、じっくりと見学したいと思っています。

註)日本でも「廃兵院」という呼称に違和感を持つ人は当時からいたようで、1934年には「傷兵院」と改称されました。

-blog

執筆者:

関連記事

サンタクロース

サンタクロースって、誰?(Qui est le père Noël ?)

こんにちは。バゲットです。 ここでも何度か書いたように、私は房総半島の山奥の農家の出身で、子供のころ、実家ではクリスマスを祝う習慣はありませんでした。年によってはクリスマスケーキを食べましたが、ツリー …

たんぽぽ

たんぽぽと夜尿症(オネショ)(pissenlit/pisse en lit)

こんにちは。バゲットです。 ロバート・F・ヤングというアメリカのSF作家の作品で、「たんぽぽ娘(The dandelion girl/La fille aux cheveux d’or)」という短編小 …

メロンを持っている

彼はメロンを持っている(Il a le melon)

こんにちは。バゲットです。 以前も少し書いたように、フランスはヨーロッパ随一の農業国です。国土の52,5%が農業用地で、それはEU全体の農地の16%に相当し、農業生産額もフランス一国でEU全体の18% …

織物のクレープが男性名詞

男のクレープと女のクレープ “le” crêpe et “la” crêpe

こんにちは。バゲットです。 今回もクレープのお話です。二回連続で、クレープが嫌いな方は「もう、うんざり(J’en ai marre !)」とお思いかも知れませんが、これで終わりですので、どうぞ最後まで …

レジオン・ドヌールには5つの「等級」

レジオン・ドヌール勲章(Légion d’honneur)(2)

こんにちは。バゲットです。 今回も、レジオン・ドヌール勲章について書きましょう。 さて、レジオン・ドヌールには5つの「等級」があって、下からシュヴァリエ(Chevalier=騎士)、オフィシエ(Off …

あなたのお住まい、お仕事は東京でしょうか?フランス語や文化に興味がございますか? くつろげて、自分に合うフランス語学校をお探しでしょうか?

東京でフランス語を学ぶのでしたら、新宿、池袋から数分の私たちの学校のサービスをご提案します。

初心者、初級対象者のすべての方には他校にはないプライベートレッスンをご提供します。初心者の方にはマンツーマンでそれぞれの題材の最後までご指導します。

その他のレベルではスタンダードコースとして(中級、上級)クラス内での広がりを作る為に1クラス3人まで のセミプライベートレッスンとプライベートレッスンがございます。

個人レッスンでは各ご要望のコースで対応します(文法、語彙、口語表現、試験準備、テレビニュース他…)。 フランス語会話サロンでは文化や社会に関する様々な題材で意見を交わし、東京からフランスまでを旅し、横断する事が出来ます。又、幼稚園生から大学生まで、セミプライベートレッスン、個人レッスンもご提案させていただきます。

私達の学校は会話を基本とする方法で、フランス語圏出身の講師による生きた会話レッスンを行っています。そういうわけで、私達は本校のことを、会話学校又は自由会話サロンと呼んでいます。