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『悲しみのイレーヌ/Travail soigné』フランス語学校

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こんにちは。バゲットです。

数年前、ピエール・ルメートル(Pierre Lemaitre)の『その女アレックス(Alex)』が日本のミステリー界を席巻し、60万部を超えるベストセラーとなったことは、ご記憶の方も多いと思います。フランスの小説が日本であれほど話題になったのは、マルグリット・デュラスの『愛人(L’Amant)』(邦訳1985年)以来、30年ぶりのことでした。
今回紹介したいのは、同じくルメートルの『悲しみのイレーヌ』(文春文庫)。原題は「入念な仕事(Travail soigné)」で、邦訳のタイトルは英訳から取ったもののようです。『その女アレックス』の前日譚ですが、こちらの作品もフランスで4つの賞を受賞し、日本でも「週刊文春ミステリーベスト10」で1位に選出された秀作です。
悲しみのイレーヌ
主人公は身長145センチの俊英、カミーユ・ヴェルーヴェン(Camille Verhoeven)警部。その部下に、富豪の御曹司で美男のルイとドケチのアルマン。上司は巨漢のル・グエン。『アレックス』でお馴染みのカルテットが、この作品でも活躍します。
さて、パリ郊外のロフトで、二人の娼婦の惨殺死体が発見されました。ルイが電話で「こんなのは見たことがない」と言う通り、現場は血と排泄物にまみれ、死体は切断された上に内臓をえぐられ、切り落とされた首が壁に釘付けされている・・・という凄惨な状況。そして、首の横には巨大な血文字で、「わたしは戻った」と書かれている。
そのような過剰とも言える「演出」の目的は何なのか。自問するカミーユは、それがある有名なミステリー小説の殺人現場の再現であることに気づきます。さらに調べてみると、同様に著名な小説に描かれた殺害場面を再現する、いくつかの未解決事件があることが判明し・・・
悲しみのイレーヌのフランスのバーシオン
ミステリー小説としての出来栄えは、『その女アレックス』を上回ると思います。ストーリー展開はスリリングで、登場人物も丁寧に描かれていて魅力的。仕掛けられたトリックも秀逸で、「小説の新たな可能性を切り開いた」とさえ評価できそうです。
フランス好き、ミステリー好き、小説好きのすべての方にお薦めしますが、特に『アレックス』を未読の方は、前日譚である本作品をお先にどうぞ。

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花粉症

花粉症(rhume des foins/allergie aux pollens)

こんにちは。バゲットです。 2011年3月、東日本大震災のニュースは、フランスのテレビでも、連日トップで報道されました。ある日、国営チャンネルFrance2の夜のニュースで、福島原子力発電所からの放射性物質の漏れと拡散について報告する中で、東京(渋谷だと思いますが)の歩道を、マスクをした二人の若い男性が歩いている映像が流れました。 日本人の目には、その二人が花粉症対策でマスクをしていることは明白です。しかし、そうした事情を知らないフランスの視聴者が、福島から遠く離れた東京までも放射能に汚染されていると理解したのは、当然のことでした。 当時、日本在住のたくさんのフランス人が母国に避難しました。フランス人の教師が複数、突然に帰国してしまい、4月からの授業に支障をきたした大学もあったということです。あるフランス人教師から聞いたのですが、本人はあまり気にしなくても、フランスにいる家族たちがとても心配し、帰国するよう「懇願」するそうです。やはり、上記のようなニュース映像の影響力には、絶大なものがありますね。 ※      ※      ※ さて、この原稿を書いている3月中旬は、花粉症の季節の真っただ中です。「日本に花粉症の患者は、一体、どのくらいいるのだろう」と思ってネットで調べてみると、国民の20%、25%、30%といろいろな数字が出てきます。圧巻(?)は昨年12月に発表された東京都の調査(花粉症実態調査)。なんと東京都民の48,8%がスギ花粉症に悩んでおり、その他の抗原も含めたアレルギー性鼻炎の症状のある人は62.3%。これはもう「国民病」と言ってもよさそうです。 当然ですが、フランスにも、花粉症に苦しむ人は存在します。では、フランス語で「花粉症」は、どのように言うのでしょう。 Le rhume des foins です。 foins は牛や馬のエサにするための「干し草(↑)」ですから、rhume des foins は、直訳すれば「干し草の風邪」。英語でも hay fever と言いますね。ヨーロッパでは、干し草になるイネ科の植物の花粉が原因でアレルギーを起こす人が多いので、そのように言うようです。 もちろん、l’allergie aux pollens (花粉アレルギー)という言い方もあって、Je suis allergique aux pollens と言えば、「私は花粉アレルギーだ」という意味になります。 それでは、フランスには、花粉症の人はどのくらいいるのでしょう。フランス人の知人、何人かに聞いてみたところ、「最近は増えているようだが、日本よりはずっと少ないと思う」ということでした。花粉症に悩む方には、日本よりはフランスの方が過ごしやすいかもしれませんね。

ビーフステーキのフライドポテト添え

ビーフステーキの思い出(souvenirs de steak-frites)

こんにちは。バゲットです。 私が子供のころは、外国からの牛肉の輸入が制限されていて、「ビーフステーキ(=ビフテキ)」といえば高級料理の代名詞のようなものでした。私の実家は千葉の山奥の農村地帯ではわりと大きな農家で、決して貧しくはありませんでしたが、私は子供のころ「ビフテキ」を食べたことは一度もありません。 私が生まれて初めて「ビフテキ」を食べたのは、高校を卒業して東京に引っ越してきた日のことだったように思います。渋谷で現在「ヒカリエ」のある場所に建っていた「東急文化会館」のレストランで、ナイフとフォークの使い方、肉の切り方等を父に教えてもらいながら食べました。大卒初任給が10万円程度だった時代、私が食べたステーキは3,800円でした。 それからほぼ10年後、私はフランスに留学し、ボルドー郊外のアパートの近くのカフェ・レストラン(brasserie)で、よく夕飯を食べました。ビーフステーキのセット(前菜、パン、ワイン、デザート付き)が、確か42フラン。当時の為替レートだと、日本円で850円前後でしょうか。値段の安さには驚きましたが、同時に、さして美味しいとも思えない肉質に、「普通の人が日常的に食べているステーキは、こんなものなんだろうなぁ」と、妙に納得したものでした。 さて、その後大学でフランス語を教えるようになると、いろいろな教科書で、フランス人が好きな料理の「ランキング」を目にします。もう20年以上も前、私が初めて見たランキングでは、「ビーフステーキのフライドポテト添え(steak-frites)」が一位になっていました。当時はフランスの「国民食(le plat national français)」と見なされていたようです。 ところが最近では、状況が一変しています。ネットで調べてみると、2017年11月の調査では(https://www.smartbox.com/blog/plats-preferes-des-francais/)、一位は「カモの胸肉のロースト(magret de canard)」。二位が「ムール貝のフライドポテト添え(moules frites)」、三位が「クスクス(couscous)」で、ビーフステーキは七位まで落ちています。フランスでも健康意識が高まっていて、カロリーの高さが凋落の原因だとも言われます。 ※      ※      ※ 私が大学二年生のときでしたが、私の誕生日に、当時お付き合いしていた女の子がビフテキを焼いてくれました。彼女も学生だったのであまりお金がなくて、安い牛肉を使ったせいか(あるいは彼女もステーキを焼くのは生まれて初めてだったのかw)、焼き上がったステーキは口に入れてもなかなか噛み切れません。「ガムみたいだね」と言いながら二人で笑いながら食べたのを、今でもよく覚えています。 その後、牛肉の輸入が自由化されました。安価な肉が市場に出回るようになって、今では東京でも、1000円以下の値段でステーキを食べられるお店があります。私もときどき、一人でわびしく(w)、ビフテキを食べに出かけます。 当然と言えば当然のことですが、「美味しいものを手頃な値段で食べられれば、それで幸せ」というほど、人間は単純ではないようです。

スタンダールの赤と黒

スタンダール流女の子の口説き方(la manière stendhalienne de séduire une fille)(1)

こんにちは。バゲットです。 スタンダール(Stendhal)の『赤と黒(Le rouge et le noir)』と言えば、フランス文学の名作中の名作。サマーセット・モームはこの作品を「世界の十大小説」の一つに挙げていますし、フランスやヨーロッパでは何度も映画やテレビドラマ、ラジオドラマになっています。日本でも宝塚歌劇団がミュージカルで上演していますから、そちらでご存知の方も多いでしょう。 さて、小説の舞台はナポレオンが失脚し、王政復古した時代のフランスです。ブザンソン近郊の材木小屋の息子ジュリアン・ソレル(Julien Sorel)は、卓越した知的能力と美貌を兼ね備え、立身出世を夢見る野心家です。地元の町長レナール氏の家で家庭教師を務めた後、つてを頼ってパリに上り、フランス屈指の大貴族ラ・モール侯爵の秘書となります。そして美しく高慢な侯爵令嬢マチルド(Mathilde de la Mole)との間で、一種の「恋の駆け引き」が始まるのですが、そこでのやり取りはスリリングでありながらどことなくコミカルで、「ラブコメ」と言ってもよい趣を持っています 例えばマチルドは、ほんの気まぐれからジュリアンと一夜を共にするのですが、すぐにそのことを後悔します。その後数日間ジュリアンに対して冷淡な態度を取ったため、二人はケンカして絶交してしまいます。ところが、「永遠の絶交(brouille éternelle)」をしたとたん、それまでマチルドのことを何とも思っていなかったジュリアンは、自分が本当は彼女を愛していることに気付き、「気が狂いそう(faillir devenir fou)」になってしまいます。 そして一週間後、フランス文学史上、最も有名なシーンの一つです。 図書室でジュリアンに出くわしたマチルドは、「誤解の余地のないあからさまに意地悪な態度(un air de méchanceté auquel il lui fut impossible de se méprendre)」を取ります。弱気になったジュリアンは言います、「それでは、もう私を愛しては下さらないのですね(Ainsi, vous ne m’aimez plus)」。マチルドは答えます、自分自身に腹を立てて、泣きながら。「私はだれかれの見境なく身を任せたと思うと、我慢ならないのよ(J’ai horreur de m’être livrée au premier venu)」。 その言葉を聞くとジュリアンは激高し、なんと、壁に掛かった剣を取って、彼女を殺そうとするのです! 「『見境なく、だって!』とジュリアンは叫んだ。そして図書館に骨董品として飾ってある中世の古い剣に飛びついた(Au premier venu ! s’écria Julien, et s’élança vers une vieille épée du moyen âge, qui était conservée dans la bibliothèque comme une curiosité)」。 そして彼が鞘から剣を引き抜くと、なんと、なんと・・・・マチルドは感動してしまうのです。 「私は恋人に殺されそうになったんだわ(J’ai donc été sur le point d’être tuée par mon amant !)」と考えて・・・。 (この項続く)

現在のフランスでは、ナポレオンのイメージを損なうとして、豚にナポレオンと名付けることを禁止している

ナポレオンという名のブタは存在するか?(Y a-t-il un cochon qui s’appelle Napoléon ?)

こんにちは。バゲットです。 先日、ちょっと調べものをしていて、ウィキペディア・日本語ヴァージョンの「ナポレオン・ボナパルト」の項目を読んでいたら、目を疑うような一節に遭遇しました。 「現在のフランスでは、ナポレオンのイメージを損なうとして、豚にナポレオンと名付けることを禁止している」! 上記の「出展」は、なんと、AFP(L’Agence France-Press=フランス通信社)が配信した新聞記事!AFPのお墨付きなのです! 「そんなバカな法律が本当にあるのか?」と思って、ネットで検索してみると、確かに同様の記事がたくさんヒットします。 例えば https://www.delitdimages.org/interdiction-dappeler-cochon-napoleon/ 引用する(↑)と「自分のブタをナポレオンと呼ぶことは禁止されています(Il est interdit d’appeler son cochon Napoléon)。この法律は空文化した(désuet)テクストで最も有名なものの一つです。それは第一帝政(1804-1814)または第二帝政(1852-1870)まで遡るようです。」 そんなバカな!!! そこでフランス語のサイトをいろいろと回ってみたところ、フランス版の「教えて!goo」のようなところ(今回、再度探してみましたが、見つかりませんでした<m(__)m>)で、やっぱりどなたかが質問していました。 「ベスト」とされた回答によると、「ナポレオン法典以後のすべての法律を収めたデータベースを調べたが、そのような条文をもった法律は存在しなかった」、一種の「都市伝説」なのか、あるいは、ひょっとして「条例」(地方自治体が制定する)としてならあるのかもしれない、 とのことです。なるほど・・・。 上にリンクを張ったサイトでも、「この法律は革命期の法律の辞典にも、ナポレオン法典にも書かれていない」とありますから、その通りなのでしょう。 なお、私は未読なのですが、ジョージ・オーウェル(註)の『動物農場』に、「ナポレオン」という名前の豚が登場するそうです。 (註)ジョージ・オーウェル(1903~1950)。20世紀イギリス文学を代表する作家の一人で、『動物農場』、『1984年』などの作品があります。

プワソン・ダヴリル=四月の魚

エイプリルフールと四月の魚(le poisson d’avril)

こんにちは。バゲットです。 私は、自己意識のレベルではとても正直で誠実でウソなんかめったに言わない人間なのですが、反面、サーヴィス精神が旺盛なので、目の前にいる人を喜ばせようと、いつの間にか話が事実から微妙に(w)乖離してしまうことがあります。 たとえば、私が大学生のとき、夏休みに近所の公園のベンチで休んでいたら、子供たちが水鉄砲で遊んでいて、その水が私の服にかかったことがありました。秋学期が始まると、私は友人にそのことを話します、たとえばこんな風に。「夏休みのある日、私は渋谷のセンター街で暴力団の抗争に巻き込まれたw、双方が拳銃をバンバン撃っていてw、撃たれた男が頭から血を流して倒れていたw、流れ弾が私の顔をかすめて、私は怖くて腰を抜かしてしまったw」と。別にウソをついているつもりは全くないのですがw・・・ あるいは、大学院生のとき、ガールフレンドとイタリアンレストランで食事をしたところ、パスタに入っていたホウレン草が苦くて、あまり美味しくなかったことがありました。二週間後、私は友人にそのことを話します、たとえばこんな風に。「先日、カノジョと銀座の高級イタリアンレストランで食事をしたらw、パスタの中にバカでかいゴキブリが入っていてw、私は気づかずにそのゴキブリを半分食べてしまったw、おかげでひどい下痢を起こして三日も寝込んだw」と。ちょっとサーヴィス精神を発揮しただけなのですがw・・・ ということで、今回のテーマは「エイプリルフール」なのでした。 ※      ※      ※ さて、フランスでも4月1日(le 1er avril)は、エイプリルフール。人々が家族や友人たちにイタズラをしたり、あるいはマス・メディアがウソのニュースを発信したりしてもよい、とされている日です。ただしフランスでは「エイプリルフール」とは言わず、le poisson d’avril (ル・プワソン・ダヴリル=四月の魚)と呼び、実際、ジョークやイタズラをした後、その張本人が「プワソン・ダヴリ~ル!」と言って、それがジョーク/イタズラであることを告知します。 最も一般的なのは、「プワソン・ダヴリル=四月の魚」にちなんで、紙で作った魚(poisson de/en papier)を他人の背中に貼り付けるイタズラ(↓)。 多くは子供たちが友人や学校の先生に対して行うのですが、先生の方も気がつかないふりをして、背中に魚を張ったまま授業をしたりするそうです。街中で知らない人の背中に張こともあるそうですから、来年以降、フランスで4月1日を過ごす方は気をつけてください。 他にもいろいろなイタズラがあるようで、ご参考までに紹介しておけば、こんなサイト(→http://www.topito.com/top-des-meilleures-blagues-du-1er-avril-hihi-mdr-lol-exlpdr-ferme-la)も見つかりました。 「四月の魚」の起源については、不詳。3月25日の「受胎告知」に関係するという説、フランス国王シャルル9世によるカレンダーの変更(1564年/年初を3月25日から1月1日に変更した)が起源だとする説、漁の解禁(あるいは産卵する魚を保護するための漁の禁止)に関係するという説、魚がキリストの象徴であることに起因するという説等々、さまざまな説がありますが、どれも確かな根拠がなかったり、あるいは反証があったりして、はっきりしたことは分からないそうです。 まあ、個人的な感想として言えば、上記(↑)はいずれも「まとも」すぎて、エイプリルフールの「起源」にはふさわしくないように思います。どうせなら、もっと徹底的にウソっぽい方が(たとえば「万葉集の中に書いてあるw」とか)、かえって真実味を帯びるかもしれません(←なはず、ないけどww)。

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