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悪魔の尻尾を引っ張る(tirer le diable par la queue)

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こんにちは。バゲットです。

私は収入の少ない、「恵まれない階層(classe défavorisée)」の人間なので、できるだけ質素に生活するよう努めています。特に食事や衣類等、日常の生活費は可能な限り節約するよう努力しています。それでも、本の衝動買いはやめられず、フランス語・英語の研修にもかなりの額を使うので、いつもお金がなくて(en difficulté financière=財政的困難にあって)ピーピー言っています。
さて、フランス語には「悪魔の尻尾を引っ張る(tirer le diable par la queue)」という表現があります。手元の『ロベール・ミクロ』を引いてみると、「乏しい資金で生活が困難である(avoir peine à vivre avec de maigres ressources)」とあります。要するに「ひどくお金に困っている」ということですね、私みたいにw。
「悪魔にすがりついてでもお金が欲しい、ということだろうか?」と思って、Wiktionnaire(https://fr.wiktionary.org/wiki/tirer_le_diable_par_la_queue)で調べてみると、「語源は不詳(origine mystérieuse)」。ですが、著名な言語学者(Maurice Rat)の意見として、「悪魔の援助を懇願する(solliciter l’assistance du diable)」とありますから、私の発想で正しいのかも知れません。
ところで、「悪魔の尻尾を引っ張る」と言うからには、悪魔には「尻尾」があるわけです。確かに、永井豪さんの「デビルマン」を始めとして、悪魔がイメージ化されるときは、「尻尾」つきで描かれることが多いようです。でも、なぜ悪魔には「尻尾」があるのでしょう。というのは、悪魔はもともとは天使だったのですから。
ご存知の方も多いでしょうが、キリスト教の伝説によれば、神はアダム(Adam)とイブ(Ève)を造る前に、まず天使たちを造りました。天使は星の数ほどいましたが、その中にルシファー(Lucifer)という完璧な天使がいた。ところが彼(彼女?)は、あまりにも完璧だったがために、自分こそ神の座にふさわしいと思い込んでしまったのです。そしてルシファーは全天使の三分の一を配下において、神に戦いを挑みます。対して神は、大天使ミカエル(Archange Michel)が率いる軍団を送って、ルシファーを迎え撃ちました。
大天使ミカエル
ミカエルは「最強」といわれる天使で、二人(と数えるのでしょうか?)の戦いは壮絶を極めます。しかし最後は、ミカエルがルシファーを倒し、ルシファーと配下の天使たちは地獄に落ちる。そしてルシファーは魔王サタン(Satan)となり、他の天使たちも悪魔になった・・・。
ルシファーは魔王サタン
この話には、別ヴァージョンがたくさんあります。ルシファーが神に反旗を翻したのは、神がアダムとイヴをとても可愛がったので嫉妬したからだとか、神がルシファーにアダムの前でひざまずくよう命じたため、腹を立てたからだとか・・・。
また、ミカエルとルシファーの戦いは決着が付かず、最後は神が自らルシファーを倒した、というヴァージョンもあるようです。
興味のある方は、いろいろ調べてみたらいかがですか。
(この項続く)

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せいしょくさい

ヴァチカンの長女と聖燭祭(La fille aînée de l’Église et la Chandeleur)

こんにちは。バゲットです。 私が高校生のとき、親しかったクラスメートが突然クリスチャンになりました。その経緯等については、全く興味がなかったので話したことはありません。ただ、私が冗談半分で、「お前、本当に神様なんていると思ってるの?」と言ったとき、彼が寂しそうに微笑みながら、「お前もそのうちに分かるよ」と答えたことは、酷いことを言ってしまったという自責の念とともに、今でもときどき思い出します。 大学時代の仲間の一人も、卒業後しばらくしてキリスト教に入信しました。彼が宗教に興味を持っている様子は全く無かったので、別の友人から「〇〇くんは敬虔なクリスチャンになりました(←揶揄するような口調で)」と聞いたとき、私は唖然としてしまい、返す言葉がありませんでした。 他方でフランスは、「ヴァチカンの長女(fille aînée de l’Église)」と呼ばれるほど、多数のカトリック教徒(catholique)を抱えています。いわば、カトリック教徒である方が「普通」なのです。最近は若い世代を中心に宗教離れが進んでいるとも聞きますが、それでも2010年の調査では、フランス人の65%が自らをカトリックだと答えています。 そんなわけで、フランスには数多くの教会や修道院があります。本当にそこら中、至る所にあって、私も初めて滞在したときには驚嘆したものでした。 教会は大きい順に「大聖堂(cathédrale)」「教会(église)」「礼拝所(chapelle)」に分類され、フランス国内におけるその総数は5万を超えるとも言われます。病院や刑務所や高校の礼拝堂など、小さな私的施設も含めれば、数字はさらに膨らみます。 フランスには、キリスト教関係の祝日(年中行事)もたくさんあります。もうすぐやって来るのが、2月2日の「聖燭祭(せいしょくさい、Chandeleur)」(↓)。 休日ではありませんが、キリスト教徒にとっては重要な日で、「主の奉献の祝日(Présentation de Jésus au Temple)」とも「聖母お清めの祝日(Purification de la Vierge Marie)」とも呼ばれます。モーゼの律法では男子を産んだ女性は「不浄」であるとされ、その40日後に神殿に赴いて感謝の供物(子羊と鳩)を捧げるとともに、清めの儀式を受けなければなりませんでした。そこでマリアと夫のヨセフはこの日(2月2日)イエスを連れてエルサレムの神殿を訪れ、イエスを神に捧げたのです。 神殿では救世主の降臨を待ちわびていた聖シメオン(Syméon ou Saint-Simon)が、イエスを抱いて「光(lumière)」と呼んだので、この日のミサの前にはロウソクの祝別式が行われ、そのことから「聖燭祭」と呼ばれるそうです。 ※      ※      ※ 以前、少し宗教学を勉強する機会があって知ったのですが、「宗教」は、一人の開祖(=教祖)と体系的な教義を持つ「創唱(そうしょう)宗教」と、そのようなものを持たない「自然宗教」とに分類されます。「ほとんどの日本人は無宗教だ」とよく言われますが、それは前者の意味での「宗教」に関してであって、「自然宗教」については、そうではありません。 実際、多くの日本人が初詣やお墓参りに出かけます。そして神殿や墓石の前で、目を閉じて、手を合わせます。そんなとき、大抵の人はある種「宗教的」な感情を抱いているのではないでしょうか。 そうだとすれば、友人がある日突然、キリスト教に入信(=「改宗(conversion)」)しても、それほど不思議なことではないのかもしれません。

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彼女は桃を持っている(Elle a la pêche)

こんにちは。バゲットです。 「桃」の話が二回続いた後、「農業見本市」を挟んで、今回は三度「桃」のお話です。桃も農業も嫌いな方(←もしいればw)は、「もう、うんざり(J’en ai ras le cul !)」とお思いかもしれません。でも、「桃」だけでなく、出血大サービス(?)で「バナナ」や「ジャガイモ」にも触れますので、どうか我慢して最後までおつき合いくださいませ。 さて、前回の記事(「パリ国際農業見本市」)でも少し書いたように、フランスはヨーロッパ随一の農業国です。そのためか、フランス語には農作物や家畜の名前を用いた慣用句がたくさんあります。その中から、先日はse fendre la pêche/la poire(自分の桃/梨を割る=大笑いする)を紹介しました。で、今回紹介したいのがavoir la pêche(桃を持っている)です。 Elle a la pêche (彼女は桃を持っている)のように使いますが、定冠詞(la)とともに用いることに注意してください。 ネットでこの表現を検索してみると(→https://fr.wiktionary.org/wiki/avoir_la_pêche)、avoir plein d’énergie, d’entrain と出てきます。直訳すれば「たくさんのエネルギー、たくさんの元気を持っている」。他のサイトでは、être en forme=「元気、好調だ」、être dynamique=「活気にあふれている」とあります。ですから、Elle a la pêche と言えば、「彼女は元気ハツラツとしている」ということですね。 それは身体的な面で「調子がいい、元気だ」というだけでなく、心理的・精神的なレベルも含意します。たとえば、彼女は会社で希望の部署に配属されて「バリバリ働いている」といった場合です。あるいは、もうすぐゴールデン・ウイークだから「ウキウキしている」などでも使えます。彼女がスポーツ選手なら、「調子がいい=気力・体力ともに充実している」というニュアンスですね。 もちろん否定文でも用います。Elle n’a pas la pêche(彼女は桃を持っていない)と言えば、彼女は「疲れている」とか、恋人と別れて「落ち込んでいる」という意味。何となく元気のない友達に、Tu n’as pas la pêche ? (桃を持っていないの)と話しかけるのもOKです。 私は知らなかったのですが、挨拶でも使うそうです。 Tu as la pêche ?、あるいは省略して単に La pêche ? で、「元気かい?」。 別ヴァージョンもあって、「桃」の代わりに la banane(バナナ)、la patate(ジャガイモ・サツマイモ)、la frite(フライドポテト)も使えます。 ですから、「彼女は元気だ」は、Elle a la banane/la patate/la frite(彼女はバナナ/ジャガイモ/フライドポテトを持っている)でもいい。 なぜそのような言い回しで「元気だ」という意味になるのかは、上記のそれぞれについて違った説明がなされるのですが、「桃」については起源は「不詳(flou=はっきりしない)」。でも、あるサイトには「桃が不死と健康の徴である中国文化から来たようだ」とありました。「バナナ」は、満面の笑みを浮かべたとき、口がバナナのような形になることから「幸せだ(être heureux)」「微笑んでいる(être souriant)」の意味になり、それが「元気だ」の意でも用いられるようになったようです。 なお、以上は全てくだけた言い方なので、使えるのはもっぱら友人や家族との会話でのみ。職場で上司やお客さんに向かって言うのは、避けた方がよいでしょう。 ※      ※      ※ 私事で恐縮ですが(てか、「私事」はいつも書いていますがw)、この春休みはフランス語で専門書を二冊読むなど、かなり勉強しました。三月の末には少し休暇を取ろうと思っています。J’ai la pêche ! (私は桃を持っている)

クスクス

クスクスはいかが?(Veux-tu du couscous ?)

こんにちは。バゲットです。 明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。 さて、すでにお気づきの方も多いでしょうが、私は料理が下手です。極端に下手です。常軌を逸して、下手です。もしも料理の下手さを競う全日本選手権があったら、私が優勝するのではないかと、密かに思っているほどですw。 たとえば、普通に料理の下手な人は、包丁を使うと指を切りますが、私は耳や鼻を切りますww。子供のころ読んだマンガには塩と砂糖を間違えるギャグがよく出てきましたが、私は味噌とミルクを間違えます(共に「ミ」で始まるからかもしれませんwww)。舌が鈍感なことも人間離れしていて、グレープジュースのつもりでガブガブ飲んでいたら、実は醤油だった、などということもありましたwwww。 ・・・・・・と言うのは、もちろん全て真っ赤なウソですが、まあ、そのくらい私は料理については何も知らないと思ってください。 そんな私でも、料理はします。低額所得者(économiquement faible=経済的弱者)なので、外食をするお金がないからです。で、最近、私が凝っているのが、今回のテーマ、「クスクス(couscous)」なのでした。 ※      ※      ※ 念のため簡単に記しておけば、クスクスは小麦粉から作られた粒状のパスタに、肉と野菜を煮込んだスープ(bouillon)を付け合わせたもので、もともとはモロッコ、アルジェリアなどのマグレブ(Maghreb)諸国の料理です。ウィキペディア・フランス語ヴァージョンによれば、ラブレー(François Rabelais)の『パンタグリュエル』(1532年)にも出てくるそうですが、一般のフランス人に知られるようになったのは20世紀以降のこと。フランスがその地域を植民地にしていた関係で、移民たちやアルジェリア独立後の帰国者たち(pieds-noirs)を介して、広まったそうです。 以前も紹介したサイト(https://www.smartbox.com/blog/plats-preferes-des-francais/)によると、クスクスは2017年の調査で、フランス人の好きな料理第三位にランクする人気料理です。20年くらい前に見た同様のランキングでも三位でしたから、クスクスの人気は一時の流行ではなく、フランスの食文化に根付いたものなのでしょう。 私がクスクスに凝り出した切っ掛けは、最近、近所のモロッコ料理店(restaurant marocain)に2回行ったところ、2回とも閉まっていたこと。「それなら自分で作るか」と思いたった次第です。 まず、三茶キャロット・タワーのKALDI(カルディ)でクスクス粒をゲットします(500グラムで400円ぐらい)。次に、クックパッドとmarmiton(https://www.marmiton.org/)でレシピ(recette)を研究しましたが、調味料の名前等、よくわからない上に、手間が掛かりそうなので、ザックリと自己流で作ることを決意。要するに、カレーを作る要領で肉と野菜を煮込んで、スープに味をつければいいんだろ、と。 初回は、西友の「皆さまのお墨付き/18種類の野菜ジュース(低塩)」と固形のコンソメで、ラタトゥイユ(ratatouille)風に作ってみましたが、かなりイケます。次に、コンソメと塩・コショウで味付けすると、これもウマイ。三度目は、味の素の「鍋キューブ/鶏だし・うま塩」を試してみると、これもイイ。「アリッサ(ハリッサ/harissa)」(←これもKALDIで売ってました)という唐辛子のペーストを加えると、さらに美味しさが引き立ちます。 クスクスは、いろいろな具材、いろいろな味付けで食べられますから、連日食べても飽きません。私でも作れるくらいですから、簡単です。皆さまも試してみたらいかがでしょう。

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祝!開設

皆さま、初めまして。謎のキャラクター、「バゲット」です。このたび、レコール・ド・フランセで公式ブログを開設することになり、その第一号執筆者に指名されました。 フランク&パスカルによれば、レコール・ド・フランセで第一号の生徒が私だそうですから、これも何かの因縁かもしれません。 投稿する記事の内容については、特に細かい指示は受けていません。フランスのニュース、四季折々の行事や出来事、フランスの社会や文化、フランス語の表現や文法、フランス語を勉強する上での「コツ」など、その時々の気分で書いていこうと思っています。 末永いお付きあい、よろしくお願いいたします。

頭の内側に髪の毛が生える

頭の内側に髪の毛が生える(avoir les cheveux qui poussent à l’intérieur)

こんにちは。謎のキャラクター、バゲットです。 年末・年始は「忘年会」、「新年会」とお酒を飲む機会が多く、飲み過ぎて悪酔いして嘔吐したり、あるいは翌朝に二日酔いで苦しむ方も多いでしょう。 私も大学に入ったばかりのころはまだお酒の飲み方を知らず、6月の中頃までにクラスや友人たちとのコンパで三回も泥酔して前後不覚になり、内二回は吐いてしまいました。二浪して入学したクラスメートから、「酒の飲み方に少し気をつけろ」と叱られたことを今でも覚えています。 その後、一時は禁酒したこともあるのですが、20代の終わりごろからは毎晩、寝る前にお酒を飲むようになりました。ここ10年ほどは少し血糖値が高いので、もっぱら糖分ゼロのバーボン・ウイスキー。毎日8時半には仕事を切り上げ、フロアスタンドの間接照明以外は全ての明かりを消して、マンションの大きな窓から見る東京の夜景(←すごくキレイです)を背景に、一人でお酒を飲む。私にとって至福のひとときです。 Avoir les cheveux qui poussent a l’interieur フランス語で「二日酔い」を意味する最も一般的な表現は、“la gueule de bois”。直訳すれば「木の口」で、多くは動詞“avoir”とともに用います。「私は二日酔いだ」は、“J’ai la gueule de bois(=私は木の口を持っている)”ですね。 いつものようにウィクショネール(https://fr.wiktionary.org/wiki/gueule_de_bois)で調べてみると、“Malaises matinaux dus à un abus d’alcool(=酒の飲み過ぎに起因する朝の身体的不調)”。まさに「二日酔い」です。語源としては、“avoir la bouche sèche comme du bois après avoir bu trop d’alcool(=お酒を飲み過ぎた後に木のように乾いた口を持つ)”とありますね。 面白いのは「同義語(synonymes)」の項目。たとえば、“avoir la tête dans le cul(=頭が尻にある)”。「今朝、オレの頭は尻についてるよ(Ce matin, j’ai la tête dans le cul)」のように用いるのでしょう。 さらに奇抜なのは、“avoir les cheveux qui poussent à l’intérieur(=[頭の]内側に髪の毛が生えている)”。二日酔いでアタマがガンガンするときは、「昨夜は飲み過ぎた、髪の毛が頭の内側に生えてるみたいだ(J’ai trop bu hier-soir, j’ai les cheveux qui poussent à l’intérieur)」と言えばよいわけです。 ※      ※      ※ 私は体質的にお酒には強いようで、生涯で一度も二日酔いになったことがありません。夜中の2時、3時に目が覚めて激しい頭痛がしたことは何回かありますが、朝起きて頭が痛かったことは一度も無いのです。とは言え、飲み過ぎると風邪を引きやすくなりますし、また年齢のせいか、風邪を引いたときにお酒を飲むと、その風邪が何週間も治りません(←若いころは治ったのですが)。そのため、2年ほど前から、毎晩飲むお酒の量を少し減らすようにしています。 皆さまも飲み過ぎて二日酔いになったり風邪を引いたりしないよう、お気をつけてくださいませ。

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