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男性名詞と女性名詞(les noms masculins et les noms féminins)(2)

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こんにちは。バゲットです。

前回に続いて、名詞の「性」について書きましょう。

フランス語では、人間(+身近な動物)以外を指す名詞は、何の根拠もなく男性名詞/女性名詞に分類されます。それは、どのようにして覚えたらよいのでしょう。

実は、語尾で分ることが多いのです。

まず、統計的には、e で終わる名詞の80%が「女性」だそうです。ですから、――eという語は、分らないときは、「女性」だと思って使えばいい。間違えたところで、たいていは通じます(笑)。

さらに、「接尾辞」で分ることもあります(↓)。

接尾辞

この表にもあるように、tionで終わる語は、すべて女性名詞です。例えば、ambition(野心), association(協会),émotion(気持ちの高ぶり), imagination(想像力), impression(印象), intention(意図), motivation(動機), natation(水泳), nation(国家), opposition(反対), organisation(組織), position(位置), question(質問), situation(状況), station(地下鉄の駅), utilisation(使用)など、たくさんあります。
――sionも同様。conclusion(結論), décision(決定), illusion(幻想)など。
――té(英語の――ty)もすべて女性名詞です。efficacité(有効性),égalité(平等), liberté(自由), natalité(出生率), nationalité(国籍), société(社会), utilité(有用性), vitalité(生命力)など。
逆に、――ment はすべて男性名詞(この形は名詞より副詞が多いのですが)。bâtiment(ビル), gouvernement(政府), sentiment(感情), vêtement(服)などです。
――isme もすべて男性名詞です。capitalisme(資本主義), communisme(共産主義), égoïsme(エゴイズム), individualisme(個人主義), libéralisme(自由主義), socialisme(社会主義)など。
以上すべて、仏和辞典の巻末の「付録」にある「接尾辞表」に載っています。ことさら暗記しようなどとは考えず、ときどき「接尾辞表」を見て確認する(「ああ、そう言えば、この前出てきたあの単語がそうだなあ・・・」のように)のがよろしいかと思います。
(続く)

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複合過去

続・「複合過去」って何?(Qu’est-ce que le passé composé ?/être+p.p.)

こんにちは。バゲットです。 今回も引き続き、複合過去について書きましょう。 フランス語の動詞の95%以上は、avoir を助動詞にして複合過去を作りますが、ごく少数の移動を意味する自動詞(=直接目的語を取らない)は、être+過去分詞(以下p.p.と略します)で複合過去を表します。たとえば、aller/venir(行く/来る)、partir/arriver(出発する/着く)、sortir/entrer(出る/入る)、monter/descendre(上る/下りる)、naître/mourir(生まれる/死ぬ)、rester(とどまる)、tomber(落ちる、倒れる)、passer(移る、立ち寄る)、retourner(戻る)などの自動詞、及びそれらからの派生語(revenir [帰る]、devenir [~になる]、rentrer [帰る] など)です。 「移動を意味する」と書きましたが、marcher(歩く)、courir(走る)、nager(泳ぐ)、voler(飛ぶ)など「移動する行為」は、助動詞にavoir を用います。ですから、正確には「移動した結果としての状態を意味する自動詞」ですね。 なお、私は学生たちには「生まれる/死ぬ(naître/mourir)は移動の一種だ」と言っています。言語学的な根拠があるか否かは知らないのですが、宗教的に考えれば「この世」に来るのが「生まれる」、「あの世」に行くのが「死ぬ」ですから。 複合過去 注意しなければならないのは、avoir+p.p. では過去分詞が原則的に「不変」だったのに対し、être+p.p. のときは過去分詞が主語に「性数一致する=女性形になったり複数形になったりする」ということ。たとえば、「彼は東京に行った」なら Il est allé à Tokyo ですが、「彼女は東京に行った」は Elle est allée à Tokyo と過去分詞が女性形になり、「彼女たちは東京に行った」だと Elles sont allées à Tokyo のように女性複数形になります。 ※      ※      ※ さて、以上はどの教科書・参考書にも書いてある、いわば「基本事項」。私が本当に書きたかったのは、これからです。 実は私自身、若いころにちょっと戸惑ったのですが、上に挙げた動詞のいくつかはavoir+p.p. で複合過去を作ることもあるのです。 と言うのも、先に書いたように、être+p.p. で複合過去を作るのは、移動した結果としての状態を意味する「自動詞」だからです。つまり、上記の動詞の中には「自動詞(=直接目的語を取らない)」の用法の他に、「他動詞(=直接目的語を取る)」の用法も持つものがあって、「他動詞」として、目的語を伴って用いるときは、avoir+p.p. で複合過去になるのです。 具体的には、monter、descendre、passer、sortir、retournerなど。これらの動詞には自動詞と他動詞の両方の用法があり、自動詞のときはêtre が助動詞になりますが、他動詞のときはavoir が助動詞となるのです。 たとえば、Elle est montée au sommet(彼女は山頂に登った)/Elle a monté la côte(彼女は坂を上った)、Elle est descendue à la cave(彼女は地下室に下りた)/Elle a descendu l’escalier(彼女は階段を下りた)、Elle est passée chez moi(彼女は私の家に立ち寄った)/Elle a passé la frontière(彼女は国境を越えた)などです。慣れないうちは区別が難しいかもしれませんが、注意してください。 ※      ※      ※ 「今日、ママが死んだ(Aujourd’hui, maman est morte)。あるいは昨日だったかもしれないが、分からない(Ou peut-être hier, je ne sais pas)」。アルベール・カミュ(Albert Camus)の小説『異邦人(L’Étranger)』の冒頭、フランス文学史上最も有名な書き出しの一つです。ここで複合過去(est morte)が用いられていることに、お気づきのことでしょう。 このように、「ル・モンド20世紀の100冊(Les cent livres du siècle)」で一位にランキングされたこの名作は、主に複合過去で書かれています。構文も単純ですし、何よりも作品自体が短いので、フランス語の基本文法を終えたばかりの方が、初めて読む原典としては最適かと思います。興味をお持ちの方は、ぜひとも手に取ってみることをお薦めします。

復活祭のタマゴ

復活祭とチョコレートのタマゴ(Pâques et des œufs en chocolat)

こんにちは。バゲットです。 フランス語の勉強を始めたばかりのころ、「日曜日」に対応する語を知ったときは、ちょっと戸惑いました。「月」が lune で「月曜日」は lundi、「火星」が Mars で「火曜日」は mardi。ところが、「太陽」は soleil なのに「日曜日」は dimanche なのです。英語の日曜日は「Sunday=太陽の日」ですから、やっぱり奇妙です。 そんなことがあったので、ずっと後になって、dimanche が「主=イエス・キリストの日」を意味することを知ったときは、何か胸のつかえが取れたような、目からウロコが落ちたような気がしました。と同時に、そのとき初めて日曜日が休日である理由を知って、少し驚きました。 そんなことを知らなかったのは私だけなのかもしれませんが、念のために書いておけば、日曜日が休日なのは、それがイエス・キリストが復活した日だからです。実際、キリストは金曜日に十字架に架けられて絶命し(それが、金曜日が不吉とされる理由の一つです)、二日後の日曜日に復活しました。だから、カトリック教会では日曜日にミサが行われるのだし、キリスト教徒にとって日曜日は「安息日」なのだし、古代ローマ帝国の時代から日曜日は休日なのです(註)。 ※      ※      ※ ということで、キリストが復活した日、すなわち「復活祭」。キリスト教ではクリスマス(Noël)を上回る最大のイベントで、クリスマスが12月25日に固定されているのに対し、こちらは年によって日付が変わる移動祝祭日(fête mobile)です。「春分の後の最初の満月の日の次の日曜日」という、天文学者でもなければいつになるか分からないような日で、19年は4月21日がそれにあたります。各地の教会で大規模なミサが執り行われますが、著名な大聖堂(cathédrale)はキリスト教徒のみならず、興味本位wの観光客も殺到して、立錐の余地もないほど混むそうです。 フランス語では Pâques と言い、無冠詞で用います。「復活際には」と時の副詞にするときは “à Pâques”、「復活祭おめでとう」は “Joyeuses Pâques !” ですね。 子供たちが楽しみにしているのが「復活祭のタマゴ(œufs de Pâques)」(↓)。 復活祭の朝のプレゼントで、昔は茹でタマゴを彩色していたそうですが、現在は卵形のチョコレートが主流だとのこと。プラスチックのタマゴを使い、中にお菓子を入れることもあるそうです。前夜にウサギ(復活祭のウサギ=lapin de Pâques)が来て置いていくという伝承があって、子供たちは朝起きると、屋内や庭でこのタマゴを探します。 ※      ※      ※ キリストは神だから復活しましたが、一般の人間は一度死んだら(少なくとも「最後の審判の日」までは)復活したりはしません。 さて、アメリカの作家ダン・シモンズの小説『ハイペリオン』(←超有名なSF)には、復活する(=生き返る)部族が登場します。彼らは、もとは銀河系の辺境の惑星に移住した地球人です。どういう訳か、胸に赤い十字架(←キリスト教への示唆)を埋め込まれていて、病気や事故で死亡しても、その赤い十字架が残っている限り、「復活」するのです。その部族は、当然、その惑星に植民した当時は高度な科学文明を持っていました。ところが数百年後、小説の物語に登場するときは原始的な狩猟・採集の生活をしています。 詳述はしませんが、私には非常に説得力のある「末路」のように思えます。そんなものでしょう、「不死」を手に入れた人類なんて。 註・321年、ローマ皇帝コンスタンチヌス1世が日曜日を休日と定めました。

ベルギービール・ウィークエンド東京2017

「ベルギービール・ウィークエンド東京2017」で懇親会!

こんにちは。バゲットです。 もう15年以上も前のことですが、フランス語教授法の研修会に出席するため、夏休みのまるまる一ヶ月を、フランス北部の都市・カーンで過ごしたことがあります。 比較的ベルギー国境に近いせいか(関係ないかもしれませんがw)、カーン大学のカフェテラスには、ベルギービールが何種類か置いてあって、私もよく飲んだものでした。私はフルーティな香りのビールが好きだったのですが、ベルギービールって、実は1500種類以上も銘柄があったんですね。 さて、8回目となる「ベルギービール・ウィークエンド東京」。今年も9月14日(木)~9月18日(月)、107種類のビールが参加して、六本木ヒルズアリーナで開催される予定です(↓)。 https://belgianbeerweekend.jp/2017/ja/tokyo 皆さまもこの機会に、いろいろな香りのベルギービールを味わってみませんか。 ※       ※      ※ レコール・ド・フランセでは、ベルギー出身のパスカルが中心になって、「ベルギービール・ウィークエンド東京2017」にて懇親会を開催します。詳細は次の通りです。 集合時間 9月16日(土)、18時15分 集合場所 JR高田馬場駅ビッグボックス前の交番付近 会費   3,100円 参加なさる方は、電子メールまたは口頭で、レコール・ド・フランセまでお申し込み下さい。その際、当日、集合場所に来られるか、または直接会場に行かれるかを、お伝え下さい。 なお、前売り券を購入する(↓)と、景品として「BBWオリジナル・コインポーチ」がもらえます。 https://belgianbeerweekend.jp/2017/ja/ticket/tokyo ただし、キャンセル・返金はできないとのことですので、ご注意ください。

大天使ミカエル

悪魔の尻尾を引っ張る(tirer le diable par la queue)

こんにちは。バゲットです。 私は収入の少ない、「恵まれない階層(classe défavorisée)」の人間なので、できるだけ質素に生活するよう努めています。特に食事や衣類等、日常の生活費は可能な限り節約するよう努力しています。それでも、本の衝動買いはやめられず、フランス語・英語の研修にもかなりの額を使うので、いつもお金がなくて(en difficulté financière=財政的困難にあって)ピーピー言っています。 さて、フランス語には「悪魔の尻尾を引っ張る(tirer le diable par la queue)」という表現があります。手元の『ロベール・ミクロ』を引いてみると、「乏しい資金で生活が困難である(avoir peine à vivre avec de maigres ressources)」とあります。要するに「ひどくお金に困っている」ということですね、私みたいにw。 「悪魔にすがりついてでもお金が欲しい、ということだろうか?」と思って、Wiktionnaire(https://fr.wiktionary.org/wiki/tirer_le_diable_par_la_queue)で調べてみると、「語源は不詳(origine mystérieuse)」。ですが、著名な言語学者(Maurice Rat)の意見として、「悪魔の援助を懇願する(solliciter l’assistance du diable)」とありますから、私の発想で正しいのかも知れません。 ところで、「悪魔の尻尾を引っ張る」と言うからには、悪魔には「尻尾」があるわけです。確かに、永井豪さんの「デビルマン」を始めとして、悪魔がイメージ化されるときは、「尻尾」つきで描かれることが多いようです。でも、なぜ悪魔には「尻尾」があるのでしょう。というのは、悪魔はもともとは天使だったのですから。 ご存知の方も多いでしょうが、キリスト教の伝説によれば、神はアダム(Adam)とイブ(Ève)を造る前に、まず天使たちを造りました。天使は星の数ほどいましたが、その中にルシファー(Lucifer)という完璧な天使がいた。ところが彼(彼女?)は、あまりにも完璧だったがために、自分こそ神の座にふさわしいと思い込んでしまったのです。そしてルシファーは全天使の三分の一を配下において、神に戦いを挑みます。対して神は、大天使ミカエル(Archange Michel)が率いる軍団を送って、ルシファーを迎え撃ちました。 ミカエルは「最強」といわれる天使で、二人(と数えるのでしょうか?)の戦いは壮絶を極めます。しかし最後は、ミカエルがルシファーを倒し、ルシファーと配下の天使たちは地獄に落ちる。そしてルシファーは魔王サタン(Satan)となり、他の天使たちも悪魔になった・・・。 この話には、別ヴァージョンがたくさんあります。ルシファーが神に反旗を翻したのは、神がアダムとイヴをとても可愛がったので嫉妬したからだとか、神がルシファーにアダムの前でひざまずくよう命じたため、腹を立てたからだとか・・・。 また、ミカエルとルシファーの戦いは決着が付かず、最後は神が自らルシファーを倒した、というヴァージョンもあるようです。 興味のある方は、いろいろ調べてみたらいかがですか。 (この項続く)

青髯

ジル・ド・レ、あるいは青い髯(Gilles de Rais ou la Barbe bleue)

こんにちは。バゲットです。 前々回はジャンヌ・ダルク(Jeanne d’Arc)について書きましたが、彼女の周辺、と言うか当時の宮廷では、相当にクセのある人物たちが暗躍していたようです。まず国王シャルル7世のお后の母で、権勢の限りを尽くすヨランド・ダラゴン(Yolande d’Aragon)。王室侍従長として策謀を巡らし、私腹を肥やすラ・トレモイユ(Georges de la Trémoille←カトリーヌ・ド・メディシスの高祖父!)。その宿敵で敬虔なキリスト教徒、「正義の人(Le Justicier)」アルチュール・ド・リッシュモン(Arthur de Richemont)。 そして、今回紹介したいのが、神をも恐れず悪のかぎりを尽くした男、ジル・ド・レ(Gilles de Rais)です(↓)。 ジル・ド・レ(Gilles de Rais) ジルは1403年頃、ロワール渓谷周辺に広大な所領を持つ大貴族の家に生まれます。11歳のときに両親を相次いでなくし、その後は強欲で悪名高い祖父に育てられますが、長じて軍人になると、遠縁のラ・トレモイユに引き立てられて宮廷に入ります。1429年、26歳のときに、当時17歳のジャンヌ・ダルクと出会い、彼女に伴って軍を進めてオルレアンを解放。その後も彼はジャンヌと行動を共にし、フランス本土からイギリス軍を駆逐することに貢献します。 ジャンヌが処刑されたころから宮廷を離れて、ほとんど所領に閉じこもってしまいますが、凄まじいのはそれから。湯水のようにお金を使って享楽にふけり、錬金術や黒魔術にまで耽溺する。さらには領内の何百人もの美少年を居城に召し抱え、あるいは単に誘拐して、性的快楽の対象として陵辱し、虐殺する。1440年に聖職者とのトラブルが元で逮捕され、裁判の結果、絞首刑、死体が火刑になっています。37歳、ジャンヌの火刑から9年後のことでした。 このようにジルは理不尽な殺戮を繰り返したため、シャルル・ペローの童話「青髯(la Barbe bleue)」のモデルになったとも言われます。もっともジルの容姿に関しては史料が全く無いそうで(註・上の肖像画は1835年)、本当に青々とした髭を湛えていたのかどうかはわかりません。彼はまたマンガやゲームにも、悪魔的なキャラクターとして登場するようです(↓)。 マンガやゲームのジルの容姿 なぜジルは、上記のように、ほとんど「狂気」とも言えるような悪行に走ったのでしょうか。小説家たちは、その原因をジャンヌの処刑に求めています。 たとえば、ミッシェル・トゥルニエ(Michel Tournier)の小説『聖女ジャンヌと悪魔ジル(Gilles et Jeanne)』では、ジルはジャンヌを「聖女」として崇拝しており、彼女が火刑になったことで絶望して、狂乱。外見がほとんど男の子のようだったジャンヌ(←いつも男装していた)のイメージを追い求めて、美少年たちを陵辱し続けるのです。 また、藤本ひとみさんの『ジャンヌ・ダルク暗殺』(文庫本タイトルは『聖女ジャンヌと娼婦ジャンヌ』)でも、ジルはジャンヌに対し友情と崇拝が交錯する奇妙な感情を抱いていて、彼女の処刑後に「復讐」を誓います。「神のいないこの世で、思うまま悪を行ってやる、それが復讐だ」と。 しかし調べてみると、歴史上ジルとジャンヌの実際の関係がどのようなものだったのかは、よくわかっていないようです。ジルはラ・トレモイユの指示でジャンヌを監視していたのか、絶対的な忠誠と献身があったのか、それともほとんど無関心だったのか。 ジャンヌ・ダルクとジル・ド・レについては、日本語で読める文献もたくさんあります。興味のある方は調べてみたらいかがでしょう。

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