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フランス語・不定冠詞と定冠詞(Les articles définis et indéfinis)(2)

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こんにちは。バゲットです。

前回書いたように、不定冠詞は「不特定」の「可算名詞」につけて用います。ここで「不特定」とは、「どれを指すか聞き手にはわからない」、あるいは話し手にとっても聞き手にとっても「どれでもいい」ということでした。

で、今回のテーマは定冠詞の使い方。定冠詞は、 le+男性名詞単数形、 la+女性名詞単数形、 l’+母音(あるいは無音のh)で始まる男女単数形、 les+複数形で、「特定のもの」もしくは「総称」を表す名詞につけて用います。「可算」「不可算」の区別はなく、どちらにも使える(もちろん「不可算」なら複数形にはなりませんが)。「総称」に関しては次回に回すとして、まず「特定のもの」について解説しましょう。

ここで「特定」とは「会話のその場面で特定されている」ということ、もっと簡単に言えば「どれを指すか聞き手がわかっている」ということです。これにはいくつかパターンがあって、まず「文脈、話の筋道からわかる」ケース。前回書いた「どこかで見かけたイヌ」の場合がそうで、初めて言及するときは聞き手にはどのイヌかわかりませんから、不定冠詞をつけて“un chien”。二度目からは「そのイヌ」だとわかりますから、定冠詞とともに“le chien”です。

不定冠詞

あるいは、「どれを指すか状況からわかる」ケースもあります。たとえば「ドアを開けなさい」。目の前のドア、近くのドア、誰かがノックしたドア、もしくはその部屋にドアが一つしか無くて、聞き手がどのドアかわかるなら、“Ouvrez la porte”。これを“Ouvrez une porte”と言ってしまうと、「どれでもいいからドアを一つ開けなさい」という意味になってしまいます。

あるいは、私は田園都市線の三軒茶屋駅から徒歩5分くらいのところに住んでいますが、友人が初めて家に遊びに来るとして、「迎えに行くから、駅に着いたら電話してね(Appelle-moi quand tu arriveras à la station)」。ここで「駅」と言えば「三軒茶屋駅」だとわかりますから、定冠詞をつけて“la station”です。

さらに「もともと一つしかないから、聞き手はどれを指すかわかる」ケースもあります。よく挙げられるのが「太陽(le soleil)」と「月(la lune)」。他にも「(その国の)大統領(le Président)」、「(その国の)首相(le Premier ministre)」、「(その会社の)社長(le PDG)」「(その会社の)営業部長(le directeur commercial)」(言うまでもなく、以上は女性形も可能です)、「(その国の)政府(le gouvernement)」、「(居住地の)市役所(la mairie)」など、いくらでもありますね。

「de+名詞で限定されると定冠詞」などと書いてある教科書・参考書もありますが、それほど単純ではありません。つまり「de+名詞」がついても、「一つ」に限定されなければ不定冠詞をつけるのです。たとえば「ポールのお母さん」は一人しかいないので、“la mère de Paul”でよい。しかし、フローベールは複数の小説を書いていますから、「小説(roman)」に“de Flaubert”をつければ自動的に定冠詞になるというわけではありません。「フローベールのある小説」なら“un roman de Flaubert”で、二度目に言及するなど、聞き手が「フローベールのその小説」とわかるときに初めて、“le roman (de Flaubert)”となります。「ルイ・ヴィトンのバッグ」も同様で、聞き手がどのバッグか特定できないなら、“un sac de Louis Vuitton”ですね。

作家やブランド以外でも、事情は変わりません。たとえばあなたが知人に一人の女性を、「この人はマリーの友達です」と紹介する場合。マリーに友人が一人しかいないということは普通ありえませんから、このケースは“C’est une amie de Marie”です。聞き手が「どの友人」を指すかわかるときに初めて、“l’amie de Marie”と定冠詞になりますね。

さて、次回は「総称」の定冠詞について書きましょう。

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