サイトロゴ

レコールドフランセ フランス語学校 へようこそ!

03-3363-6603

blog

フランス文学史上二番目のブオトコ(Le deuxième homme le plus laid de l’histoire de la littérature française)

投稿日:

こんにちは。バゲットです。

私が学部の学生だったとき、19世紀前半のフランス文学史の授業を担当したのは、スタンダール(Stendhal)が専門で「美男子」の誉れ高い(?)先生でした。ジュリアン・ソレル(『赤と黒』)やファブリス・デル・ドンゴ(『パルムの僧院』)など、超絶イケメンヒーローが大活躍するスタンダール文学を、美男が「売り」の先生が研究しているというのも、見方によっては相当にイヤミな話wですが、私はその先生が割と好きで、講義には熱心に出席していました。

で、まさにそのスタンダールがテーマの回、先生はこの作家についてこう言ったのです、「フランス文学史上一のブオトコ」と。

スタンダールが醜かったというのは有名な話で、当時の私も知ってはいましたが、まさか「フランス文学史上一」と言われるほどの真性ブサメン(?)だとは思っていなかったので、ひどく驚きました。

先生の話では「40歳を過ぎても顔中ニキビだらけ、身長170センチで体重は90キロ、市販のイスには座れなくて、特別注文でイスを作っていた」そうです。肖像画では、そうは見えないのですが(↓)・・・。

スタンダール
スタンダール

まあ、「肖像画」ですから、画家もお客の機嫌を取るために、実物よりずっとマシに描いたのでしょう。でも、太っていたのは事実のようですね。

※      ※      ※

さて、男性作家によって書かれた名作文学で、スタンダールの小説のように、超絶美男の主人公が美女にモテまくるというお話も、考えてみれば珍しいように思います。

たとえば『赤と黒』の主人公ジュリアン・ソレル(Julien Sorel)は、「美貌の野心家」(←三島由紀夫の言葉)。町長の子供の家庭教師になって、まずエリザという小間使いの女の子に思いを寄せられて、はねつけて泣かせてしまい、雇い主の妻・レナール夫人を誘惑することに成功するのですが、今度はエリザが腹いせにその不倫をバラしてしまって、ジュリアンは町長が撃つ銃弾の中を逃げて、パリにたどり着く。コネを使ってフランスを代表する大貴族ラ・モール侯爵の秘書になり、美しき侯爵令嬢マチルドと恋に落ちます。

一方、『パルムの僧院』のファブリス・デル・ドンゴ(Fabrice del Dongo)は絶世の美男。美人女優との恋を巡って殺人事件に巻き込まれ、投獄されたら今度は監獄長の娘、美貌のクレリア・コンチと愛し合う。叔母で「大胆不敵な美女」(←これも三島由紀夫)サンセヴェリーナ公爵夫人は、身内の情を越えた愛情でファブリスを愛し、クレリアと共謀して彼を脱獄させる・・・。

スタンダールのお墓には、ラテン語で「書いた、恋した、生きた」と刻まれているそうです。実際、彼は「常に恋をしていた」そうですが、上記のように真性ブサメンですから、失恋してばかり。仏文学者の桑原武夫さん(京都大学教授)は、「ブオトコだったスタンダールが、『もしも自分が美男だったら』と想像して、『赤と黒』や『パルムの僧院』を書いた」と言っていました。やはりスタンダールは、美男子が羨ましくて羨ましくて、しようが無くて、「自分もイケメンだったらなあ・・・」と思いながら、小説を書いていたのでしょうか。笑えるような、悲しいような、ちょっと微妙な話です・・・。

※      ※      ※

さて、今回のタイトルですが、あえて「フランス文学史上二番目のブオトコ」にしました。では、「フランス文学史上ナンバーワンのブオトコ」は、一体誰なのでしょう。それについては、近日中に書くつもりです。

-blog

執筆者:

関連記事

ネコ舌=ラング・ド・シャ

ネコの舌(langue de chat)

こんにちは。バゲットです。 皆さまご存知のように、日本語で、熱い食べ物が苦手な人のことを「ネコ舌」と言います。個人的な印象では女性に多いようで、少なくとも私は、男性で「ネコ舌」という人には会ったことが …

ジャンヌ・ダルク、あるいは美少女戦士(Jeanne d’Arc ou une jolie guerrière)

こんにちは。バゲットです。 「リボンの騎士」、「風の谷のナウシカ」、「セーラー・ムーン」、「綾波レイ/惣流・アスカ・ラングレー(←新世紀エヴァンゲリオン)」「あずみ」・・・。最近のものは知らないのです …

鉄仮面

鉄仮面(l’homme au masque de fer)

こんにちは。バゲットです。 私が子供のころ、仮面で素顔を隠した「正義の味方」が「悪」と戦うという内容のマンガやテレビドラマが、大流行していました。私は特に藤子不二雄さんの「パーマン」が大好きで、「パー …

フランスの祝日

フランスの祝日(Fêtes et jours fériés en France)

こんにちは。バゲットです。 日本は「国民の祝日」が年間16日もあって、世界で三番目に多い国だそうです。日曜日と重なったときの「振替休日」や、「祝日」に挟まれた平日を休日とする「国民の休日」も考慮すれば …

プワソン・ダヴリル=四月の魚

エイプリルフールと四月の魚(le poisson d’avril)

こんにちは。バゲットです。 私は、自己意識のレベルではとても正直で誠実でウソなんかめったに言わない人間なのですが、反面、サーヴィス精神が旺盛なので、目の前にいる人を喜ばせようと、いつの間にか話が事実か …

あなたのお住まい、お仕事は東京でしょうか?フランス語や文化に興味がございますか? くつろげて、自分に合うフランス語学校をお探しでしょうか?

東京でフランス語を学ぶのでしたら、新宿、池袋から数分の私たちの学校のサービスをご提案します。

初心者、初級対象者のすべての方には他校にはないプライベートレッスンをご提供します。初心者の方にはマンツーマンでそれぞれの題材の最後までご指導します。

その他のレベルではスタンダードコースとして(中級、上級)クラス内での広がりを作る為に1クラス3人まで のセミプライベートレッスンとプライベートレッスンがございます。

個人レッスンでは各ご要望のコースで対応します(文法、語彙、口語表現、試験準備、テレビニュース他…)。 フランス語会話サロンでは文化や社会に関する様々な題材で意見を交わし、東京からフランスまでを旅し、横断する事が出来ます。又、幼稚園生から大学生まで、セミプライベートレッスン、個人レッスンもご提案させていただきます。

私達の学校は会話を基本とする方法で、フランス語圏出身の講師による生きた会話レッスンを行っています。そういうわけで、私達は本校のことを、会話学校又は自由会話サロンと呼んでいます。