サイトロゴ

レコールドフランセ フランス語学校 へようこそ!

03-3363-6603

blog grammaire

半分の過去(l’imparfait)?

投稿日:

こんにちは。バゲットです。

久しぶりにフランス語の文法について書きましょう。今回は「半過去(l’imparfait)」です。

フランス語の初心者のみならず、中級者やときには上級者でも、半過去には苦労されている方が多いと思います。あるいは理解したつもりでいながら、実際の使用では間違えまくりという人もいるでしょう。私自身が長い間そうでしたからw。

※      ※      ※

では、まず基本から。半過去の語尾活用は、全ての動詞で共通。こう(↓)ですね。

半過去の語尾活用
半過去の語尾活用

語幹(変化しない部分)は、「私たち」の現在形(nous ~ons)から ons を除いた「~」の部分。たとえば chanter (歌う)なら nous chantons ですから、語幹は chant。実際に活用させてみると、 je chantais/tu chantais/il,elle chantait/nous chantions/vous chantiez/ ils,elles chantaient となります。

être だけが例外で(nous sommes と、~ons で終わらないので)、étais/étais/était/étions/étiez/étaient と活用します。

ここまではいい。問題は半過去の用法です。「複合過去とどう違うの?」と。

よく「複合過去は点の(短い)過去」「半過去は線の(長い)過去」などと書いてある教科書がありますが、事情はそれほど単純ではありません。「私はパリに十年住んでいた」は、“J’ai habité à Paris pendant dix ans”と複合過去になります。「点と線」で説明しようとすると、「10年」でも「点」になっちゃうのです。

そもそも「半過去」を意味するフランス語 l’imparfait は、「未完了」の意味。「まだ終わっていない過去」ということです。それを「半過去」と訳したのは、「行為半ばの過去」と考えてのことでしょう。

で、端的に言って、半過去の本質は「過去における現在」です。つまり「今」を中心とする現在形を、そのまま「過去のある時点」を中心とした時間軸にワープさせたものが、「半過去」なのです。

たとえば、現在形で“Je suis étudiant(e)/私は学生です”と言えば、「今」この瞬間に学生であるだけでなく、昨日も一昨日も(あるいは半年前も)学生だったし、明日も明後日も(あるいは半年後も)学生であることを含意します。これをそのまま「過去のある時点」に移転させたものが、“J’étais étudiant(e)/[そのとき]私は学生だった”なのです。

この「過去のある時点」は、「昨日(hier)」「三年前(il y a 3 ans)」「2012年に(en 2012)」「当時(à cette époque-là)」「私が家に帰ったとき(quand je suis rentré à la maison)」のように明示的に示されることもあれば、文脈で示唆されるだけのこともあるでしょう。しかし、いずれにしても話し手・聞き手の意識は「過去のある時点」にワープし、その時点での「現在」と認識されるのです。

このことから半過去の具体的な用法としては、

1.過去のある時点における「状態」や「出来事の背景・状況説明」(Elle avait les cheveux longs/[そのころ]彼女は長い髪をしていた、 Il neigeait/[そのとき]雪が降っていた)

2.過去のある時点における「継続・進行中の行為」(Ma mère préparait le dîner/[そのとき]母は夕食の準備をしていた)

3.過去のある時点における「習慣・反復」(Nous allions à la pêche tous les dimanches/[そのころ]私たちは毎週日曜日、魚釣りに行ったものだった)

などに分類できます。

注意しなければならないのは、「まだ終わっていない過去」ですから、「全体の期間」を言う表現とは一緒に使えないということ。「私は日仏会館で二年間働いていた」を、“Je travaillais à la Maison Franco-Japonaise pendant deux ans” と言ったら、間違いです。正しくは、“J’ai travaillé ~” ですね。

ただし、「そのときまでの期間」なら、OK。“J’habitais à Takadanobaba depuis cinq ans/ [そのとき]私は5年前から高田馬場に住んでいた”は、正しい文です。

さらに、同一内容の事柄でも、それを「出来事」として言うのなら複合過去、出来事の「背景」として言うのなら半過去になる。「昨日私は家にいた」は、“Je suis resté chez moi hier” と複合過去になりますが、この「私は家にいた」が別の出来事の「背景」となって、「昨日私が家にいると、弟が来た」は、“Je restais chez moi hier quand mon frère est venu” で半過去です。

  • ※       ※      ※

小説では通常、ストーリーに直接関わる出来事や登場人物の行為が単純過去(もしくは複合過去)で書かれ、背景の描写や状況の説明が半過去で描かれます。難しいかもしれませんが、特にフランス文学科の学生の方は、よく理解するよう努めて下さい。

-blog, grammaire

執筆者:

関連記事

ジャンヌ・ダルク、あるいは美少女戦士(Jeanne d’Arc ou une jolie guerrière)

こんにちは。バゲットです。 「リボンの騎士」、「風の谷のナウシカ」、「セーラー・ムーン」、「綾波レイ/惣流・アスカ・ラングレー(←新世紀エヴァンゲリオン)」「あずみ」・・・。最近のものは知らないのです …

ベルギービール・ウィークエンド東京2017

「ベルギービール・ウィークエンド東京2017」で懇親会!

こんにちは。バゲットです。 もう15年以上も前のことですが、フランス語教授法の研修会に出席するため、夏休みのまるまる一ヶ月を、フランス北部の都市・カーンで過ごしたことがあります。 比較的ベルギー国境に …

ジュリアン・ソレル(Julien Sorel)

スタンダール流女の子の口説き方(la manière stendhalienne de séduire une fille)(2)

こんにちは。バゲットです。 スタンダール(Stendhal)の『赤と黒(Le rouge et le noir)』で、大貴族ラ・モール侯爵の秘書となったジュリアン・ソレル(Julien Sorel)は …

イヌのように(comme un chien)

こんにちは。バゲットです。 一ヶ月ほど前に書いた“avoir d’autres chats à fouetter(他に鞭打たなければならないネコがいる=他にもっと重要な仕事がある)”を始めとして、“d …

サンタクロース

サンタクロースって、誰?(Qui est le père Noël ?)

こんにちは。バゲットです。 ここでも何度か書いたように、私は房総半島の山奥の農家の出身で、子供のころ、実家ではクリスマスを祝う習慣はありませんでした。年によってはクリスマスケーキを食べましたが、ツリー …

あなたのお住まい、お仕事は東京でしょうか?フランス語や文化に興味がございますか? くつろげて、自分に合うフランス語学校をお探しでしょうか?

東京でフランス語を学ぶのでしたら、新宿、池袋から数分の私たちの学校のサービスをご提案します。

初心者、初級対象者のすべての方には他校にはないプライベートレッスンをご提供します。初心者の方にはマンツーマンでそれぞれの題材の最後までご指導します。

その他のレベルではスタンダードコースとして(中級、上級)クラス内での広がりを作る為に1クラス3人まで のセミプライベートレッスンとプライベートレッスンがございます。

個人レッスンでは各ご要望のコースで対応します(文法、語彙、口語表現、試験準備、テレビニュース他…)。 フランス語会話サロンでは文化や社会に関する様々な題材で意見を交わし、東京からフランスまでを旅し、横断する事が出来ます。又、幼稚園生から大学生まで、セミプライベートレッスン、個人レッスンもご提案させていただきます。

私達の学校は会話を基本とする方法で、フランス語圏出身の講師による生きた会話レッスンを行っています。そういうわけで、私達は本校のことを、会話学校又は自由会話サロンと呼んでいます。