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『愛と宿命の泉』(Jean de Florette/Manon des sources)

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こんにちは。バゲットです。

今回紹介したいのは、映画『愛と宿命の泉』(1986年)。フランス人の知人が「生涯で見た最高の映画の一つ」と熱烈に勧めるので見てみたところ、私にとっても忘れられない作品となりました。
原作は文豪マルセル・パニョル(Marcel Pagnol)の小説『丘の泉(L’eau des collines)』。『愛と宿命の泉』というタイトルは日本の配給会社がつけたもののようで、映画は『フロレット家のジャン(Jean de Florette)』と『泉のマノン(Manon des sources)』から成る二部作です。
まず、『フロレット家のジャン』。
舞台は1920年代、南フランスの山村です。村の実力者パペ(イヴ・モンタン/Yves Montand)は初老の独身男で、甥のユゴラン(ダニエル・オートゥーユ/Daniel Auteuil)を実の息子のように可愛がっています。ユゴランはカーネーションの栽培を夢みて、丘の上の、泉を持つ農場を購入したいと考えます。
その農場の所有者が亡くなって、身内に当たるセムシ男のジャン(ジェラール・ドパルデュー/Gérard Depardieu)が、町から家族をつれてやって来ます。ジャンは一生懸命に働きますが、このとき農場には泉が無い。実はパペとユゴランが、彼の農業を失敗させようと、泉をセメントでふさいでしまったのです。水を得るには、長い距離の山道を歩かなければなりません。何も知らないジャンは、井戸を掘ろうと火薬を仕掛けるのですが・・・。
ジャンの娘、幼いマノンが泉の秘密を知ったところで、第一部は終わります。
次に、『泉のマノン』。
十年がたち、ジャンの娘マノン(エマニュアル・ベアール/Emmanuelle Béart)は美しい女性に成長しています。彼女は村に残って、羊飼い(山羊ですが)をして暮らしています。
エマニュアル・ベアール
水浴するマノンを偶然見かけたユゴランは、その美しさに圧倒されて、たちまち恋に落ちてしまいます。しかし、マノンには相手にしてもらえない。
ある日、迷子の山羊を追ったマノンは、隠された岩陰に、ふもとの村の水源を見つけます・・・。
エマニュエル・ベアール
一種の復讐譚ですが、マルセル・パニョルの原作だけあって、ストーリーがスリリングであるばかりでなく、人間の描き方に多面性と深み、あるいは「凄み」がある。
根は善人であるユゴランが、セムシのジャンを騙すときの、葛藤、そして良心の呵責。マノンを愛したときの、喜びと情熱、苦悩と絶望。オートゥイユはこの演技で、セザール賞主演男優賞を受賞しました。
さらに、復讐を遂げつつあるマノン=エマニュエル・ベアールの、背筋が凍りつくような美しさ。彼女もこの演技で、セザール賞助演女優書を受賞。
そして、極悪人のように見えたパペが、実は意外な過去を持っていたことが結末で明かされます。
それぞれの登場人物が、それぞれに人を愛し、そのために思惑を持ち、その思惑が交錯するとき、悲劇となる。
世評の高い作品なので、どこの「ツタヤ」にもあると思います。本当に、お薦めですよ。

なお、白水社からシナリオの対訳が出ていますので、興味のある方は、そちらもどうぞ。

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