サイトロゴ

レコールドフランセ フランス語学校 へようこそ!

03-3363-6603

blog

海を飲む(boire la mer)

投稿日:

こんにちは。バゲットです。

この記事に着手した日(7月29日)、関東地方でも梅雨が明けました。アップされるころには、夏休みを取って海や山に出かけている方も多いでしょう。

私は房総半島の山の中で育ちましたから、家の近くに海はありませんでした。生まれて初めて間近に海を見たときのことは、今でも微かに覚えています。すごく幼いころ、家族で外房に旅行に行って、鴨川の港を訪れたのです。遠くは真っ青で、でも足元の水は透明で、小さな船がたくさん係留されていました。

生まれて初めて海水浴に行ったときのことも、何となく覚えています。叔父が運転する車で、母と弟と私とで内房の海岸に行きました。幼い弟は波打ち際でバシャバシャするだけで、私は叔父に手を引かれて海の中を歩きました。波が顔にかかって海水が口に入り、飲み込んだら塩っぱくて気持ち悪くて、全然、楽しくありませんでした。

  •      ※      ※

さて、フランス語に、“Ce n’est pas la mer à boire”という表現があります。英語に直訳すれば“That isn’t the sea to drink”、「海を飲み干すわけじゃないよ」という意味です。いつものように「ウィクショネール(https://fr.wiktionary.org/wiki/ce_n’est_pas_la_mer_à_boire)」」で調べてみると、“Ce n’est pas difficile(それは難しくない)”、“Ce n’est pas si contraignant(それはそれほど面倒ではない)”と出てきます。念のために別のサイトも調べてみると、“Ce n’est pas impossible(それは不可能ではない)”とあります。「海を飲み干すことは不可能だけど、別にそうしろと言ってるわけじゃないよ」ということですね。

具体的にどんなケースで使うのでしょう。たとえば、教師が学生に課題を出して、何人かの学生が「そんなの無理ですよ~」と文句を言ったとき、教師は“Ce n’est pas la mer à boire”=「海を飲むわけじゃないですよ(=出来ないことはないでしょう)」と答えればよい。同様に、上司が部下に仕事を命じるときにも使えますね。

親が子供に言うこともあるようです。いつも部屋を散らかしている子供に、母親が「片づけなさい、何度言ったらわかるの、“Ce n’est pas la mer à boire”=海を飲めって言ってるわけじゃないのよ(=そのくらいのこと、難しくはないでしょう)」と。

あるいは、尻込みしている友人を応援するときや、他人に何かを勧めたいときにも使えます。たとえば、あなたの友達はフランス料理が好きで、フランス語会話を習おうかと考えている。でも、勉強はあまり得意ではなくて、「ボク/アタシには無理かなぁ・・・」と迷っています。そんなときは、「“Vas-y ! Ce n’est pas la mer à boire”=やってみればいいじゃん、海を飲むわけじゃないし」と言って、励ましてあげましょう。

  •      ※      ※

さて、近場の海水浴場は実家から車で一時間もかからなかったので、小学生のころ、私は毎年のように海水浴に行っていました。でも考えてみれば、それほど楽しかったような記憶はありません。真っ赤に日焼けしてヒリヒリ痛いし、ほとんど毎回、海の水を飲んで気持ち悪いし、一体なぜ、人間は海水浴になんか行きたがるのでしょう。

詳述はしませんが、サルトル(Jean-Paul Sartre)の『存在と無』(L’Être et le Néant)に、ヒントになりそうな箇所がありました(←実話)。ちょっと読み返してみましょうか。海水浴に行ってダブダブの身体を人目にさらすよりw、私にはそっちの方がずっと似合っているように思います。

-blog

執筆者:

関連記事

私のウサギちゃん

私のかわいいウサギさん(mon petit lapin)

大学1年の冬だったように記憶しているのですが、アーネスト・ヘミングウェイ(註)の『誰がために鐘は鳴る』を読みました。スペイン内戦(1936~1939)を舞台に、義勇兵として参戦したアメリカ人の青年ロバ …

大天使ミカエル

悪魔の尻尾を引っ張る(tirer le diable par la queue)

こんにちは。バゲットです。 私は収入の少ない、「恵まれない階層(classe défavorisée)」の人間なので、できるだけ質素に生活するよう努めています。特に食事や衣類等、日常の生活費は可能な限 …

自分を「書く才能に恵まれていない

君は「ガリ勉」?(Tu es fort en thème ?)

こんにちは。バゲットです。 私は学生時代、仏作文のトレーニングとして、フランス語の原文テクストを「再構成」(要するに「暗記」)する練習をしていました。 英語学者で上智大学教授(当時)の渡部昇一さんが『 …

ホウレン草にバターを入れる

ホウレン草にバターを入れる(mettre du beurre dans les épinards)

こんにちは。バゲットです。 今回はホウレン草について書きましょう。 私の実家の周囲には果樹園と小さな畑があって、畑では今でも母がいろいろな野菜を栽培しています。そうした野菜の中で、私は子供のころからホ …

なまいき娘(L'effrontée)

『なまいきシャルロット(l’effrontée)』

こんにちは。バゲットです。   多少なりともフランス文化に興味をお持ちの方なら、シャルロット・ゲンズブール(Charlotte Gainsbourg)はご存知でしょう。フランス語テキスト『ス …

あなたのお住まい、お仕事は東京でしょうか?フランス語や文化に興味がございますか? くつろげて、自分に合うフランス語学校をお探しでしょうか?

東京でフランス語を学ぶのでしたら、新宿、池袋から数分の私たちの学校のサービスをご提案します。

初心者、初級対象者のすべての方には他校にはないプライベートレッスンをご提供します。初心者の方にはマンツーマンでそれぞれの題材の最後までご指導します。

その他のレベルではスタンダードコースとして(中級、上級)クラス内での広がりを作る為に1クラス3人まで のセミプライベートレッスンとプライベートレッスンがございます。

個人レッスンでは各ご要望のコースで対応します(文法、語彙、口語表現、試験準備、テレビニュース他…)。 フランス語会話サロンでは文化や社会に関する様々な題材で意見を交わし、東京からフランスまでを旅し、横断する事が出来ます。又、幼稚園生から大学生まで、セミプライベートレッスン、個人レッスンもご提案させていただきます。

私達の学校は会話を基本とする方法で、フランス語圏出身の講師による生きた会話レッスンを行っています。そういうわけで、私達は本校のことを、会話学校又は自由会話サロンと呼んでいます。