サイトロゴ

レコールドフランセ フランス語学校 へようこそ!

03-3363-6603

blog

キャベツを植えに行く(aller planter ses choux)

投稿日:

こんにちは。バゲットです。

若い方は聞いたことがないかもしれませんが、私が子供の頃(1960~70年代)、漫画やテレビドラマで、「ニワトリでも飼って余生を過ごせ」というセリフをよく目/耳にしました。
大体のパターンとしては、たとえば政界のフィクサーのような「巨悪」が、政治家や高級官僚を操って日本の政治をほしいままにし、私腹を肥やしている。で、悪事が露見しそうになったり、一部が露見してスキャンダルになったりしたとき、手先として使っていた者にすべての責任を押しつけ、冷たく言い放つのです、「ニワトリでも飼って余生を過ごせ」と。そしてそのように命じられた、まだ現役バリバリの政治家や官僚は、言葉もなく、無念そうにうつむく・・・・
ニワトリ
表舞台から去って一切の関係を絶ち、田舎に引きこもって自給自足に近い生活をするのは分るのですが、なぜ、「キノコ」とか「大根」とか「ほうれん草」ではなく、「ニワトリ」なのでしょう。千葉の山奥の農家に生まれ、実際に祖母が20羽ほどのニワトリを飼っていた私は、その言葉を目/耳にするたびに、分るような、分らないような、不思議な気分になったものでした。
さて、比較的最近のことですが、フランス語にも類似の表現があることを知って、驚きました。
「自分のキャベツを植えに行く(aller planter ses choux)」。手元の仏和辞典には、「田舎に隠遁(いんとん)する」「隠居する」とあります。
キャベツ
ネットで検索してみると、出てきました(↓)。
http://www.expressions-francaises.fr/expressions-p/1875-planter-ses-choux.html
上のサイトによれば、「自分のキャベツを植える」が意味するところは、「田舎に住む(vivre à la campagne)」「自分の庭を耕す(cultiver son jardin)」、転じて「定年退職する(prendre sa retraite)」「現役を引退する(quitter la vie active)」。
17世紀の終わりには、「自分のキャベツを植えに行かせる(envoyer quelqu’un planter ses choux)」で、「(人から)仕事、職務を取り上げる、すなわち人を解任する(le priver de son emploi, de ses fonctions à savoir le destituer)」という意味になりましたが、現代ではそのような「法律的概念(notion juridique)」は完全に失われた、とあります。昔は「ニワトリでも飼って・・・」と同じような意味だったのですね。
使用例として挙げられているのは、マルセル・パニョルの『父の大手柄』(1957年)の一節。「三年後、彼は定年退職した(il prenait sa retraite)・・・そして喜びに微笑みながら、彼は言った、“私もようやく自分のキャベツを植える(planter mes choux)ことができるよ”。」
※      ※      ※
ところでこの表現、何人かのフランス人に聞いてみましたが、「知らない」という人が多いようです。仏和辞典には載っていますが、実際にはあまり使わないのかもしれません。

-blog

執筆者:

関連記事

サイトロゴ

祝!開設

皆さま、初めまして。謎のキャラクター、「バゲット」です。このたび、レコール・ド・フランセで公式ブログを開設することになり、その第一号執筆者に指名されました。 フランク&パスカルによれば、レコール・ド・ …

CatherineDeMedicis

マカロンはお好き?

こんにちは。バゲットです。  最近、日本国内のフランス好きやフランス関係者の間で、フランス共和国大統領エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)に名前が似ているということで、一躍、脚光を …

フランス人作家ピエール・ルメートル(Pierre Lemaitre)の『その女アレックス(Alex)』

『その女アレックス(Alex)』

こんにちは。バゲットです。 ミステリー小説の「本場」とされるのは一般に英米で、フランスのミステリーは、ガストン・ルルー(Gaston Leroux)の『黄色い部屋の謎(Le mystère de la …

ナポレオンの写真

彼の辞書に「不可能」という文字はあるか(Impossible est-il français ?)

こんにちは。バゲットです。 フランスの「英雄」といえば、ナポレオン・ボナパルト。ベートーヴェンの交響曲第3番『英雄』をめぐるエピソードも有名です(註)。 そして、ナポレオンの言葉といえば、「私の辞書に …

喉にネコがいる

私の喉にネコがいる(J’ai un chat dans la gorge)

こんにちは。バゲットです。 昨年、日本国内のペット飼育数の調査で、初めてネコがイヌを上回ったことは、マスコミでも大きく報道されたので、ご存知の方も多いでしょう。改めて確認してみたところ、2017年の時 …

あなたのお住まい、お仕事は東京でしょうか?フランス語や文化に興味がございますか? くつろげて、自分に合うフランス語学校をお探しでしょうか?

東京でフランス語を学ぶのでしたら、新宿、池袋から数分の私たちの学校のサービスをご提案します。

初心者、初級対象者のすべての方には他校にはないプライベートレッスンをご提供します。初心者の方にはマンツーマンでそれぞれの題材の最後までご指導します。

その他のレベルではスタンダードコースとして(中級、上級)クラス内での広がりを作る為に1クラス3人まで のセミプライベートレッスンとプライベートレッスンがございます。

個人レッスンでは各ご要望のコースで対応します(文法、語彙、口語表現、試験準備、テレビニュース他…)。 フランス語会話サロンでは文化や社会に関する様々な題材で意見を交わし、東京からフランスまでを旅し、横断する事が出来ます。又、幼稚園生から大学生まで、セミプライベートレッスン、個人レッスンもご提案させていただきます。

私達の学校は会話を基本とする方法で、フランス語圏出身の講師による生きた会話レッスンを行っています。そういうわけで、私達は本校のことを、会話学校又は自由会話サロンと呼んでいます。