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ナポレオンという名のブタは存在するか?(Y a-t-il un cochon qui s’appelle Napoléon ?)

投稿日:2017年12月27日

こんにちは。バゲットです。

先日、ちょっと調べものをしていて、ウィキペディア・日本語ヴァージョンの「ナポレオン・ボナパルト」の項目を読んでいたら、目を疑うような一節に遭遇しました。
「現在のフランスでは、ナポレオンのイメージを損なうとして、豚にナポレオンと名付けることを禁止している」!

現在のフランスでは、ナポレオンのイメージを損なうとして、豚にナポレオンと名付けることを禁止している

上記の「出展」は、なんと、AFP(L’Agence France-Press=フランス通信社)が配信した新聞記事!AFPのお墨付きなのです!
「そんなバカな法律が本当にあるのか?」と思って、ネットで検索してみると、確かに同様の記事がたくさんヒットします。
例えば
https://www.delitdimages.org/interdiction-dappeler-cochon-napoleon/
引用する(↑)と「自分のブタをナポレオンと呼ぶことは禁止されています(Il est interdit d’appeler son cochon Napoléon)。この法律は空文化した(désuet)テクストで最も有名なものの一つです。それは第一帝政(1804-1814)または第二帝政(1852-1870)まで遡るようです。」
そんなバカな!!!
そこでフランス語のサイトをいろいろと回ってみたところ、フランス版の「教えて!goo」のようなところ(今回、再度探してみましたが、見つかりませんでした<m(__)m>)で、やっぱりどなたかが質問していました。
「ベスト」とされた回答によると、「ナポレオン法典以後のすべての法律を収めたデータベースを調べたが、そのような条文をもった法律は存在しなかった」、一種の「都市伝説」なのか、あるいは、ひょっとして「条例」(地方自治体が制定する)としてならあるのかもしれない、
とのことです。なるほど・・・。
上にリンクを張ったサイトでも、「この法律は革命期の法律の辞典にも、ナポレオン法典にも書かれていない」とありますから、その通りなのでしょう。
なお、私は未読なのですが、ジョージ・オーウェル(註)の『動物農場』に、「ナポレオン」という名前の豚が登場するそうです。

(註)ジョージ・オーウェル(1903〜1950)。20世紀イギリス文学を代表する作家の一人で、『動物農場』、『1984年』などの作品があります。

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