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パンがないなら・・・(S’ils n’ont pas de pain)

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こんにちは。バゲットです。

「パンがないなら、ケーキを食べればいいのに」。フランス革命の前夜、パンを求めて暴動を起こしたパリの民衆に対し、王妃マリー・アントワネットが口にした「妄言」として知られています。私の高校時代、世界史の参考書にも載っていましたし、他にもいろいろなところで目にしますから、皆さまもご存知のことと思います。
マリー・アントワネット
でも調べてみると、原文は少し違います。
S’ils n’ont pas de pain, qu’ils mangent de la brioche ! (註)
「パンがないなら、ブリオッシュを食べればいいのに」。
ケーキじゃないですね。菓子パンの一種、ブリオッシュ(←小麦粉と牛乳、砂糖、バター、卵で作るらしい)です。
ブリオッシュ
ソフィア・コッポラ監督の『マリー・アントワネット』では、「(王妃がそのように言ったと)民衆の間で噂になっている」と側近が告げると、マリー・アントワネットは、「バカバカしい」と不機嫌そうに吐き捨てます。
実際、上記のセリフは、ルソーが、フランス革命の20年以上前に出版した『告白』の中で、「ある高貴な女性(une grande princesse)」の言葉として紹介しているもので、マリー・アントワネットのものではありません。
ルソー、フランス革命の20年以上前に出版した『告白』
彼女自身は慈善家で、貧しい人々の窮状に心を痛めていたそうですが、フランスの民衆から見れば外国人(オーストリア出身)ですし、贅沢好きだったことも事実です。そのため民衆の間で全く人望がなく、とんでもない濡れ衣を着せられてしまった、ということなのでしょう。

註・ mangentは接続法現在。 Que + SV(接続法現在)で、第三者(その場にいない人)への「命令」を意味します。

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モンブラン

フランスで一番高い山(le plus haut sommet de France)

こんにちは。バゲットです。 もう10年くらい前のことですが、オーストラリア(シドニー?)の空港で、あるアラブ系フランス人の青年が拘束されました。パスポートに問題があり、「テロを準備しているのではないか」と嫌疑をかけられようです。本人は本当にフランス人だったため、フランス政府が抗議して、数日で釈放されました。そのことについて「ル・モンド(Le Monde)」が社説で、「アラブ系に対する差別だ」と、強く糾弾していたのをよく覚えています。 笑えるのは(本来「笑う」ような性質のことではないのですが)、その男が半年後、今度はフランスの警察に逮捕されたこと。外国の警察にテロ容疑で拘束されたフランス人を、政府が抗議して釈放させたら、やっぱり本当にテロリストだったwというわけです。 さて、「ル・モンド」社説によれば、オーストラリア警察は、拘束したアラブ系男性が本当にフランス人であるかを疑い、フランスについてさまざまな質問をしたそうです。その質問の一つが、今回のテーマ、「フランスで一番高い山は?」。 私の記憶では、社説は「そんなこと普通のフランス人は知らない」というニュアンスで書かれていたように思うのですが、私の勘違いかもしれません。というのも、大抵のフランス人が、「フランスで一番高い山はモンブラン」と答えるように思うからです(あるいは、質問は複数ありましたから、「全部答えられる人は滅多にいない」ということだったのかもしれません)。 でも、よく考えてみると、モンブランはフランスとイタリアの国境に位置する山。「フランスで一番高い」と言ってしまってよいのでしょうか。そんな風に言ったら、イタリアの人たちが怒りそうな気がするのですが。というわけで、調べてみました。すると・・・ モンブランは標高4,809メートル(註1)、富士山(3,776メートル)よりずっと高い。山頂は常時氷に覆われていて、一般の方が観光気分で登頂するのは不可能です。 で、問題の国境線ですが、1861年、フランスと当時のサルデーニャ王国(イタリア王国建国の直前のようです)との間で、「国境線はモンブランの山頂を通る」ということで合意。その後、第二次大戦後のパリ条約(1947年の平和条約/フランスは戦勝国、イタリアは敗戦国)では、モンブランについては言及されませんでした(註2)。現在は、フランスの地図ではモンブラン山頂はフランス領、イタリアの地図では国境線は山頂を通ることになっており、1995年、その件についてイタリア政府がフランス政府に抗議しましたが、その後ウヤムヤになっているそうです。 ※      ※      ※ さて、日本の富士山とは異なって、モンブランは一国を代表するような観光名所ではありませんし、ましてやフランスの「象徴」ではありません。「フランスで一番高い山は?」と質問されたとき、一体どのくらいのフランス人が「モンブラン」と答えられるのでしょうか。知人のフランス人教師に聞いてみたところ、「平均的なフランス人なら答えられるだろう、しかし学歴の低い人や移民の人の中には、答えられない人もいるのではないか」とのことでした。 註1)2017年の計測値。山頂が氷で覆われているため、高さは常に変化しています。氷の下の岩の山頂は4,792メートルで、氷の山頂の西40メートルにあるそうです。 註2)日本版ウィキペディアによれば、1963年にも仏伊間で国境が再定義されましたが、モンブランについては協議されなかったとのことです。

フランス語クイズです。

私を置いていかないで!  こんにちは。バゲットです。  皆さんは、約束をすっぽかしたり、すっぽかされたりした経験がありますか。 私は、二人きりの待ち合わせでは一度もないように思いますが、友人たち何人かの待ち合わせでは、すっぽかしたことが二度、すっぽかされたことも何度かあるように記憶しています。昔は携帯電話がなかったので、急に熱を出したり、寝過ごしたりする(私の場合は二度ともこれでしたw)と、連絡のしようがなく、やむなく「無断欠席」となってしまったのです。 そういう意味で言えば、携帯電話の開発は、私たちの生活の質を向上させる上で、画期的な出来事だったと言えそうです。少なくとも、寝坊して約束をすっぽかすことだけは、なくなりましたから。 ※       ※       ※  さて、今回も、フランス語クイズです。 フランス語には、「待ちぼうけを食わせる、約束をすっぽかす」という意味で、poser ( ) à +人 [人に( )を置いていく]という表現があります。( )には、ある動物の名前が入ります。 Elle m’a posé ( ). 「ボクは彼女にデートをすっぽかされたよ」のように用います。 ( )に入る動物は、次のうちのどれでしょう。 1. Un chat 「彼女は私にネコを置いていった」 2. Un lapin 「彼女は私にウサギを置いていった」 3. Un chien 「彼女は私にイヌを置いていった」 4. Une souris 「彼女は私にハツカネズミを置いていった」 正解は・・・・ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ウサギです。 Elle m’a posé un lapin. 「あの娘、ボクにウサギを置いて行っちゃったよ」で、「ボクは彼女にデートをすっぽかされた」です。 なるほどね・・・。皆さま、恋人にデートをすっぽかされた夜は、一人で寂しくフレンチレストランに行って、ウサギのシチューを食べましょう。  

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こんにちは。バゲットです。 フランスの観光スポットの中でも最も有名なものの一つ、モン・サン・ミシェル。私も15年以上前に訪れたことがあります。 フランス人の若い女性のガイドさんについて修道院を回った(無料だったような気がします)のですが、覚えていることといえば、何もない薄暗い廊下と部屋をいくつも通ったこと、中庭のようなところに花が咲いていたこと、ガイドさんが「プロフィテ・ザン(Profitez-en)!」(註)と繰り返し叫んでいたこと、大広間のようなところでツアーが終わったこと・・・ぐらいです。 さて、そのモン・サン・ミシェル。もともとは海岸から1キロほど離れた小島で、潮が引いたときだけ歩いて渡れたのですが、19世紀後半に海岸と島をつなぐ堤防=道路が作られたことで潮の流れが変わり、周囲が砂で埋まってしまいそうな状態でした。そのため10年ほど前から、堤防を壊し、砂を取り除いたり、橋を作ったりして、景観修復工事をして、完了したのが2014年。現在では駐車場は対岸にあって、シャトルバス(+馬車!)または徒歩で橋を渡ることになっています。 数年前、フランスのテレビのルポルタージュで見て、ちょっと驚きました。このモン・サン・ミシェルには観光客立ち入り禁止の区画があって、そこでは現在でも修道僧たちが、朝早く起きて質素な食事を作ったり、聖書を読んだり、瞑想したりと、修道院としての活動を行っているそうです。 考えてみればモン・サン・ミシェルは、もともとはカトリックの有名な「巡礼地」です。日本人でもカトリック信者の方なら、しかるべき筋から「紹介状」をもらって、しばらく滞在することができるのかもしれません。心当たりのある方は、試してみたらいかがでしょう。 (註)英語に直訳すれば、Enjoy this ! 日本語で言えば「ご覧下さい!」でしょうか。

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こんにちは。バゲットです。   最近はあまり聞かないように思うのですが、以前、「マヨラー」という言葉をよく耳にしました。マヨネーズが大好きで、納豆、お寿司、目玉焼き、餃子など、通常は他の調味料を使用するケースでも、マヨネーズをつけて食べる人たちです。というか、調べてみると、マヨラー過激派(?)の方たちは、ラーメンやケーキも含め、ほとんどありとあらゆる食べ物にマヨネーズをつけるようですが。 さて、その「マヨネーズ(mayonnaise)」、元々はフランス起源の肉料理用のソースで、当然、その呼称もフランス語。 フランス語には、フランセーズ(française :フランスの)、ジャポネーズ(japonaise :日本の)、アングレーズ(anglaise :イギリスの)のように、「――エーズ」という女性形形容詞がたくさんあります。上記はすべて国名由来の形容詞ですが、リヨネーズ(lyonnaise :リヨンの)、ボルドレーズ(bordelaise :ボルドーの)のように、都市名由来のものもあります。 そこからの類推で言えば、マヨネーズは本来「マヨン(Mayon)の」という意味の女性形形容詞であるはずです。女性形になっているのは、「ソース(sauce)」が女性名詞だからでしょう。あるいはà la+女性形形容詞で「~風の」という言い方があるからかもしれません。つまり、la sauce mayonnaise/la sauce à la mayonnaise(マヨン風ソース)から、la mayonnaiseという女性名詞になったのだと思われます。 で、「ホントかな」と思って、ネットで調べてみました。 結果、「マヨン」という地名は存在せず、起源については諸説あるようです。ミノルカ島マオン(mahonnaise ?)とか、マヨルカ島(majorquaise ?)とか、フランスの都市バイヨンヌ(bayonnaise ?)とか・・・ まあ、この手の話で起源に諸説あるというのは、よくあることですから、仕方ないですね。 ※      ※      ※ ところで、フランスにも「マヨラー」はいるのでしょうか。フランスのマヨネーズは日本のそれとは若干、味が違うということですが、興味のある方は、いろいろと試してみてはいかがでしょう。エスカルゴとか、ムール貝とか、クスクスとか、牛肉の赤ワイン煮とか、ラタトゥイユとかに、マヨネーズ・・・。めちゃくちゃ不味くても、私は責任を取りませんが(笑)。

カトリーヌ・アルレー わらの女

わらの女(La femme de paille)

こんにちは。バゲットです。 皆さま、『わらの女(La femme de paille)』というミステリー小説をご存知ですか。 フランスの女性作家カトリーヌ・アルレーの作品で、週刊文春の『東西ミステリーベスト100』(新版・2012年)では、海外編第53位(1986年の旧版では23位)にランクされる名作です。ミステリーファンなら知らない者などないと言ってもよいでしょう。 調べてみると、イギリスで映画化された他、日本でもドラマの原作として何度も使われています。 カトリーヌ・アルレーわらの女 若くて美しい貧しい女性が、財産目当てに年老いた大富豪に近づいて、首尾よく妻の座を手にするが・・・というお話ですが、皆さま、このタイトル(「わらの女」)、意味不明だと思いませんか。 わら人形を作って、丑三つ時に釘をカンカンw・・・というような場面とは全く関係ありません。 実は私も、フランス人の教師とこの小説について話していて初めて知ったのですが、フランス語には homme de paille (わらの男=わら人形)という表現があるのです。「怪しい事業などの名義貸し人、ダミー」という意味です。「わらの女」はその女性ヴァージョンだったのですね。 まっ、ヒロインが本当に「名義貸し人、ダミー」なのかは、読んだときのお楽しみ。 面白いですよ。お薦めです。

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