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わらの女(La femme de paille)

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こんにちは。バゲットです。

皆さま、『わらの女(La femme de paille)』というミステリー小説をご存知ですか。
フランスの女性作家カトリーヌ・アルレーの作品で、週刊文春の『東西ミステリーベスト100』(新版・2012年)では、海外編第53位(1986年の旧版では23位)にランクされる名作です。ミステリーファンなら知らない者などないと言ってもよいでしょう。
調べてみると、イギリスで映画化された他、日本でもドラマの原作として何度も使われています。

カトリーヌ・アルレー わらの女

カトリーヌ・アルレー
わらの女

若くて美しい貧しい女性が、財産目当てに年老いた大富豪に近づいて、首尾よく妻の座を手にするが・・・というお話ですが、皆さま、このタイトル(「わらの女」)、意味不明だと思いませんか。

わら人形を作って、丑三つ時に釘をカンカンw・・・というような場面とは全く関係ありません。

実は私も、フランス人の教師とこの小説について話していて初めて知ったのですが、フランス語には homme de paille (わらの男=わら人形)という表現があるのです。「怪しい事業などの名義貸し人、ダミー」という意味です。「わらの女」はその女性ヴァージョンだったのですね。

まっ、ヒロインが本当に「名義貸し人、ダミー」なのかは、読んだときのお楽しみ。
面白いですよ。お薦めです。

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フランスの家族海海岸で

ヴァカンスに行こう!(1)

こんにちは。バゲットです。 勤務先の大学で学期末試験が終わり、テストの採点と成績の提出も完了して、私もようやく夏休み。昨日は久しぶりに、終日、のんびりと過ごしました。 ということで、今回はフランスのヴァカンスについて書きましょう。 フランスの家族海海岸で 昨年の秋のことですが、大学の講師室で、普段はあまり話さないフランス語の先生が私のところに来て、尋ねました、「フランスの有給休暇って、何日ですか」と。 「25日じゃないですか」と答えると、「今使っている教科書に28日と書いてあります」と言う。 そこでネットで検索してみると、25日、30日、35日などと、さまざまな数字が出てきます。 結局、いろいろ調べてわかったのですが、法定の有給休暇は「5週間」。日数ではなく、週で決まっている。「5週間」だから「35日」だし、日曜を除くと「30日」だし、事実上の週休2日を除けば「25日」になる。同僚の先生が言った「28日」は、「夏に4週間(残りの1週間は別の時期に)休暇を取る」という意味でしょう。 さらに、この「5週間」は法定(=最低限)の有給休暇だから、会社や職種によってはもっと多いこともある。特に学校の教師は、生徒と同じだけの休みがある(=日本と違って、夏休み等に出勤の義務はない)そうです。 驚いたのは、病気で欠勤しても、有給休暇の日数が減らないこと。欠勤した分の給料は、健康保険から補填されるとのことです。 もちろん、以上は給与所得者にだけ当てはまる話で、自営業や農家の人は関係ありません。特に(当然ですが)、牛、豚、鶏など、動物を飼育している農家は、なかなか休暇は取れないですね。 ※       ※      ※ さて、そのように最低5週間ある有給休暇は、うち3週間(または4週間)を夏に取って、残りを他の時期に取る人が多いようです。 夏休みは7月に取る人と8月に取る人がいて、それぞれjuillettiste(7月派)、aoûtien(8月派)と、名前までついています。 だから7月の末になると、大都市周辺では、ヴァカンスから帰ってくる人たちと出かける人たちが、高速道路上で「すれ違う」ことになる。それを、ダンスでパートナーが位置を交換する動作を意味する、「シャッセ・クロワゼ(chassé-croisé)」という語で呼んでいます。こんな(↓)感じですね。 交通渋滞 (続く)

ケーキの画像

C’est du gâteau. そんなの簡単さ。

こんにちは。バゲットです。 さて、フランス語に、“C’est du gâteau”という表現があります。“du” は、数えられないものにつけて「適量」を示す「部分冠詞」で、直訳すれば「そんなのお菓子みたいなもんさ」。 日本語でも「お茶の子さいさい」と言いますし、そこで「お茶の子」はお茶に添えて出されるお菓子のことですから、発想としては同じなのでしょう。「そんなのお菓子を食べるみたいに簡単さ」という意味です。 ※       ※       ※ おそらく多くの方が同様なのだと思いますが、私はフランス語の勉強を始めたころ、フランス語の単語と日本語の訳語とを、ほとんど一対一で対応させて覚えていました。La mer=海、le ciel=空、le vent=風、といった具合です。 で、le gâteau=お菓子。当時使っていた仏和辞典で、最初に出ていた訳語が「菓子」だったからです。 しかし、勉強を続けて行くと、次第に、フランス語の単語と日本語の訳語の間には微妙な「ズレ」があることに気づきます。すると、疑問に感じるようになりました。「ガトーって、いったい何だ」と。 一口に「お菓子」と言っても、いろいろあります。何が「ガトー」で、何がそうでないのか。調べようにも、そのころはパソコンもインターネットも存在しませんでした。 仏和辞典には「ケーキ」という訳語もありましたから、イチゴのショートケーキは「ガトー」なのでしょう。では、チョコレートは、キャラメルは、キャンディは、「ガトー」なの?ビスケットやクッキーは?日本の和菓子は? 「かっぱえびせん」は「ガトー」なのか? 同様の疑問を持つ人は少なくないようで、『クラウン仏和辞典』も『プチ・ロワイヤル仏和辞典』も、最新版では、gâteau の項目に詳細な解説を加えています。 それによれば、「ガトー」は、小麦粉・卵・バターを練った生地(pâte)から作る“pâtisserie”の一種で、日本語の「ケーキ」に該当するようです。したがって、チョコレートやキャラメルやキャンディは「ガトー」ではありません。 やっぱり、「かっぱえびせん」は「ガトー」ではないですね(笑)。 レコール・ド・フランセでフランクにたずねてみたところ、ビスケットやクッキーなど「ガトー・セック(乾いたガトー)」も、単に「ガトー」とは言わないとのことです。 ※ 何が「ガトー」であって、何が「ガトー」でないのか。それは私にとって、“C’est du gâteau (そんなの簡単さ)”というわけには行きませんでした。 ちなみに、この表現は否定形でも使うそうです。“Ce n’est pas du gâteau !(それは簡単じゃないね)”と。

註・シャンボール城

ロワール渓谷の古城(Châteaux de la Loire)

こんにちは。バゲットです。 フランス中部、ロワール川の渓谷は、中世・ルネッサンス期に建てられた古城が点在することで有名です。2000年にはユネスコの世界遺産にも登録され(註・シャンボール城[↓]は1981年に単独で登録)、フランスでも屈指の観光スポットになっています。 「お城は一体いくつあるのだろう」と思ってネットで調べてみると、130とか300とか出てきましたが、ウィキペディア・フランス語ヴァージョンによれば、網羅的なリストは存在しなくて、その総数は3,000に近いようです。多分、すごく小さなものや、廃墟になっているものも含めての数字でしょうけれど。 さて、先日、フランスのテレビで見たルポルタージュ。そうした古城の中には、個人所有の、わりと小さめのお城もたくさんあるそうです。たとえばリヴォー城(Château du Rivau↓)がその一つ。 所有者夫婦によれば、彼らがこのお城を購入したのは1992年のこと。それ以来、大雨で庭園の花が倒れたとか、強風で納屋の瓦が落ちたとか(←共にインタビュー前夜の話)、「問題が途切れることがない(les problemes ne s’arrêtent jamais)」、「毎日が挑戦の日々(C’est un défi au quotidien)」だそうです。 古城の修繕や維持に必要な多額の費用を賄うためには、多くの観光客を引きつけなければなりません。彼らが目をつけたのは隣接する6ヘクタール(!)の庭園で、奥さまが指揮する10人ほどの従業員が、毎日、朝早くから手入れをしています。 訪問者は、初年度のわずか1,500人が、昨年は50,000まで増加したそうですが、それでもまだ経営は赤字状態。そのため旦那さまは、平日はパリの不動産会社で働き、娘さんは城内のレストランでウェイトレスをしています。 ※      ※      ※ なかなか大変ですが、それでも一家は幸せそうです。奥さまは「この果てしない冒険に乗り出したのは、それが好きだからです(On s’est embarqués dans cette aventure sans fin par amour)」、旦那さまも「こうした苦労は、お城の生活の楽しさの一部です(Ça fait partie des plaisirs de la vie du château)」と言っていました。

ナポレオンの写真

彼の辞書に「不可能」という文字はあるか(Impossible est-il français ?)

こんにちは。バゲットです。 フランスの「英雄」といえば、ナポレオン・ボナパルト。ベートーヴェンの交響曲第3番『英雄』をめぐるエピソードも有名です(註)。 そして、ナポレオンの言葉といえば、「私の辞書に不可能という文字はない」。 私も小学生のとき、小学館の『小学〇年生』(何年生だったかは忘れましたが)で読んで、「何てカッコイイことを言う人がいるのだろう」と感嘆しました。そんなこともあって、一時は、「尊敬する人物は?」と聞かれるたびに、躊躇なく「ナポレオン!」と答えていましたが・・・ ナポレオン さて、その名言「私の辞書に不可能という文字はない」。大学の仏文科の学生だったとき、初めてフランス語の原文を知って、驚きました。 Impossible n’est pas français ! 直訳すれば、「不可能(という語)はフランス語ではない」です。日本で流布している訳文と、まるで違うじゃないですか!!! あるいは、これを上記のように訳した人のセンスが秀逸だった、と言うべきでしょうか。 その後、大学院生になって、この原文自体が、本当は少し違うということを知って、さらに驚きました。正確には Ce n’est pas possible, m’écrivez-vous ; cela n’est pas français. 「それは可能ではないと、あなたは私に書いている。だが、それ(=そんな言い方)はフランス語ではない」。ドイツ(プロシア)遠征の際、ある司令官から送られて来た手紙への、返信として書かれたということです。 ※       ※      ※ そうだとすれば、私たちが知っているあのセリフ(「私の辞書に不可能という文字はない」)は、本来は部下に対する叱咤激励の言葉だったわけです。「弱音を吐くな」「諦めるな」「最後まで頑張れ」みたいな。 あるいは、一歩進めて、自分や仲間達を鼓舞する言葉と解釈することもできるでしょう。 さらには、ナポレオンの信念の深さや決意を示すという見方もできる。「それがやらねばやらないことであるなら、どんなことでも私はやり遂げてみせる」と。 少なくても、彼の自信とか傲慢さを意味する言葉ではないですね。 註・伝えられるところでは、ベートーヴェンは交響曲第3番をナポレオンに捧げる意図で作曲した。しかし、その後、ナポレオンが皇帝に即位したことに激怒し、取りやめた、ということです。事実ではない、という説もあるようですが・・・

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