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恋占い(effeuiller la marguerite)

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こんにちは。バゲットです。

カナダの作家、アリス・マンロー(Alice Munro、2013年ノーベル文学賞受賞)に「恋占い」という短編小説があります。中学生の女の子二人が、地味な中年の独身女性に、遠方に住む男性の名前で偽のラブレターを書くという悪戯をするお話です。
その短編に、少女の一人が考案した「恋占い」が出てきます。男の子と女の子の名前を紙に書き、重複する文字を消して行って、残った文字の数だけ指を折って数えるのです、「嫌い、お友達、片思い、両思い、結婚(hateship, friendship, courtship, loveship, marriage)」と唱えながら。
悪戯の残酷さにもかかわらず、物語はハッピーエンドで終わります。作中では言及されませんが、中年女性の名前ジョアンナ・パリー(Johanna Parry)と男性の名前ケン・ブードロー(Ken Boudreau)で、実際にこの「恋占い」をしてみると、残る文字が10個(=「結婚」)になるという、なかなか凝った作りになっています。邦訳(新潮社『イラクサ』所収)もありますので、興味のある方は、ぜひ読んでみてください。
さて、フランスにも広く行われている「恋占い」があります。「ヒナギクの花びらをむしる(effeuiller la marguerite)」と言うように、ヒナギクを使った「花占い」です。
ヒナギクの花びらをむしる
一枚ずつ花びらを取っていくのは日本の花占いと同じですが、日本式に「好き、嫌い」の二択ではなく、もっとずっと複雑です。まず、「彼/彼女は私を愛している(Il/Elle m’aime)」と言ってから、「少しは(un peu)、とても(beaucoup)、熱烈に(passionnément)、気が狂うほど(à la folie)、全くない(pas du tout)」と唱えながら、花びらをむしって行きます。日本式と比べると、ずっと洗練されていますね。
※      ※      ※
このように日本式花占いとフランス式のそれを対比してすぐに気づくのは、フランス式の方が「嫌い」が出る確率がずっと低いということです。実際、日本式の花占いでは、1/2の確率で「嫌い」になってしまいますが、フランス式だと「全く愛してない」が出るのはわずか1/5。換言すれば、日本では二回に一回は「あきらめた方がいい」という結果になるのに対し、フランスでは「あきらめろ」は五回に一回だけなのです。ちなみに、英米では日本と同じく「愛している(He/She loves me)、愛していない(He/She loves me not)」ですから、フランス方式の特殊性は明白です。これもフランスが「恋愛大国(?)」であることの証左だと言ったら、言い過ぎになるでしょうか。
そう言えば、私は若い頃、あるフランス政府系機関で働いていたことがあるのですが、当時、フランス人の若い男性から、次のような書き出しの手紙が来たことがあります、「愛情に関する理由で、私は日本に行かなければなりません(Des raisons sentimentales m’obligent à venir au Japon)」。女の子を追いかけて日本に来るのでしょう。日本人男性には(てか、私には)、ちょっとマネができません。

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