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C’est du gâteau. そんなの簡単さ。

投稿日:2017年7月5日

こんにちは。バゲットです。

さて、フランス語に、“C’est du gâteau”という表現があります。“du” は、数えられないものにつけて「適量」を示す「部分冠詞」で、直訳すれば「そんなのお菓子みたいなもんさ」。

日本語でも「お茶の子さいさい」と言いますし、そこで「お茶の子」はお茶に添えて出されるお菓子のことですから、発想としては同じなのでしょう。「そんなのお菓子を食べるみたいに簡単さ」という意味です。

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おそらく多くの方が同様なのだと思いますが、私はフランス語の勉強を始めたころ、フランス語の単語と日本語の訳語とを、ほとんど一対一で対応させて覚えていました。La mer=海、le ciel=空、le vent=風、といった具合です。
で、le gâteau=お菓子。当時使っていた仏和辞典で、最初に出ていた訳語が「菓子」だったからです。
しかし、勉強を続けて行くと、次第に、フランス語の単語と日本語の訳語の間には微妙な「ズレ」があることに気づきます。すると、疑問に感じるようになりました。「ガトーって、いったい何だ」と。
一口に「お菓子」と言っても、いろいろあります。何が「ガトー」で、何がそうでないのか。調べようにも、そのころはパソコンもインターネットも存在しませんでした。
仏和辞典には「ケーキ」という訳語もありましたから、イチゴのショートケーキは「ガトー」なのでしょう。では、チョコレートは、キャラメルは、キャンディは、「ガトー」なの?ビスケットやクッキーは?日本の和菓子は?
「かっぱえびせん」は「ガトー」なのか?

同様の疑問を持つ人は少なくないようで、『クラウン仏和辞典』も『プチ・ロワイヤル仏和辞典』も、最新版では、gâteau の項目に詳細な解説を加えています。
それによれば、「ガトー」は、小麦粉・卵・バターを練った生地(pâte)から作る“pâtisserie”の一種で、日本語の「ケーキ」に該当するようです。したがって、チョコレートやキャラメルやキャンディは「ガトー」ではありません。
やっぱり、「かっぱえびせん」は「ガトー」ではないですね(笑)。
レコール・ド・フランセでフランクにたずねてみたところ、ビスケットやクッキーなど「ガトー・セック(乾いたガトー)」も、単に「ガトー」とは言わないとのことです。

何が「ガトー」であって、何が「ガトー」でないのか。それは私にとって、“C’est du gâteau (そんなの簡単さ)”というわけには行きませんでした。
ちなみに、この表現は否定形でも使うそうです。“Ce n’est pas du gâteau !(それは簡単じゃないね)”と。

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